昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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三井不動産レジと旭化成建材の偽装建築

横浜市のマンションが、大変なことになっている。
特に販売会社が三井不動産レジデンシャル、問題のくい打ちをしたのが旭化成建材となると、日本でも超一流企業がバッグの会社の工事施工と販売であり、先ずは信用してかかるものだ。
住民にとっては、傾いてきただけでもショックだろうが、その原因が手抜き工事の所為となると、これはただ事ではなくなる。
 
僕が家を買う時には、「絶対に旧財閥系の会社物件を買うように」とアドバイスされた。
具体的には、三井不動産と、住友不動産三菱地所であり、ここなら無条件で信用できるし、仮に問題が発生しても、責任をもってキチンと対処してくれると言われた。
結局は、先ず土地を手配した上で、注文建築で家を建てたが、依頼したのは三井ホーム
もう30年以上も経ったが、今に至るもしっかりした造りで、大変満足している。
それだけに、今度の案件に三井不動産が関わっていることに、大変ショックを受けている。
 
しかし今回の事件は、聞けば聞くほど無茶苦茶だ。
どうも手抜きしたことを書類で偽装したのは、旭化成建材の同じ社員で、同じ業務を15年も担当してきたらしい。
旭化成は過去に遡って、件の担当者が関与した案件を再調査するらしいが、今更「問題がありました」と分かっても、既に住んでいる住民はどうすることもできない。
さすがに三井不動産レジデンシャルは、今回の横浜のマンションに関しては、全棟立て直しを打診したようだが、旭化成建材の方はそう簡単に「ではそうしましょう」とは言えない。
建て直しを打診された住民の意見もバラバラだし、この両者の間でも意見は一致しない。
 
改めて、最近急激に強まっているコンプライアンス法令遵守の重要さが分かる。
各企業ともその昔は収益最優先だったが、最近ではそれ以前に、企業として法令を遵守することを最優先する姿勢に代わっている。
しかしそれでも、今回のような法令違反をする企業が後を絶たない。
 
最近の国際的大事件では、フォルクスワーゲンのインチキがばれた。
10年間も規制に合格していない車を、虚偽申告で売り続けてきたのだから、その影響は底が知れない。
リコールの対象が12百万台にもなりそうだと言われるので、普通の会社なら破綻する規模だ。
今回のマンション偽装データ問題も、三井不動産レジデンシャル側は旭化成建材に全責任を押し付ける算段だろうが、旭化成建材は本件だけで済むとは思えない。
その全部を自分で背負い込むと、とてつもない損失が発生する可能性がある。
おいそれとは、全棟立て直しに応じられないだろう。
 
それにしても一点、どうにも腑に落ちないことがある。
確かに偽装データを申告したのは旭化成建材の一社員だろうが、そもそも手抜き工事をしたのは一体誰なのか?
普通に推測すれば、実際に手抜きした現場と、それを見て見ぬ振りする検査担当がいて、初めて手抜き工事になる。
今回問題になっている社員は、手抜きを見逃す役割の担当者であり、そもそも手抜き工事を繰り返した現場の責任者がいるはずだし、その人間までが10年以上も同じ組合せで業務を続けていたとは考えにくい。
旭化成建材には、コスト削減のためには全社一体となった偽装工事を仕出かす体質があったと思わざるを得ない。
また販売会社は、旭化成建材を頭から信用してしまい、抜き打ち検査を様な手段を講じていないことも、容易に推測できる。
 
これほど名の通った企業でも、このような事件を引き起こすとなると、いったい何を、誰を信用すればいいのか!
一生に一度の買い物をするに当たって信頼できる業者がいないのなら、持ち家などは諦めて賃貸住宅で過ごすことを選ぶ人が増えるかもしれない。
それは日本経済にとっても決して良いことではないが、それでも後で偽装建築と分かって途方に暮れるよりも良い。
今回の問題は、それほど深刻だ。