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意外と簡単、ロシアのVISA取得

ロシア大使館への電話で痛い目に合ったので、どうもロシア人への偏見が出来てしまった。
ところが宿泊する予定のホテルに、VISA申請に必要な招待状とVoucherの作成を依頼すると、何と翌日にはメールで送ってきた。
日本同様、ロシアでも役人は仕事が遅いが、民間はサービス精神に溢れている。
ちょっとしたことで、一気にロシア人への印象が好転するのは、実に根が単純な証拠!
 
こうして必要な書類が整ったので、4月某日、VISA申請のために、港区麻布台のロシア大使館に赴いた。
地下鉄日比谷線神谷町駅で下車、東京タワーを目指して徒歩で約10分。
坂を上ったところに飯倉交差点があり、警察官が二人、物見台の上で警備していた。
ロシア大使館はどこ?」と聞くと、一瞬胡散臭そうな目をしたが、「交差点を渡って右折」と簡潔に教えてくれた。
そこは頑丈な塀で囲まれた大邸宅風だが、要所要所に警察官が立ち番をしている。
最初の入り口の警官に「VISA申請したいけど」と言うと、無言で更に先を指差す。
しかし次の入り口は、どう見ても勝手口程度の狭さなので、ついつい行き過ぎてしまった。
戻ってきて、そこの警官に「VISAはここ?」と聞くと、こちらも無言で頷く。
 
狭いドアを押して中に入ると、右と左に同じような階段がある。
何とはなしに、向かって右側の階段を下りると、その先に小さい部屋があった。
そこで受付番号を取って順番を待つのだが、そこには如何にもロシア人風情の先客、男女二人組がいる。
オンナがワケの分からないロシア語(みたいな)言葉で手続きをしている間、オトコの方は、長椅子に座っていた。
当方が自分の番を待っている間、所在なさげに辺りを見回していると、このロシア人風オトコと目が合ってしまった。
 
このような場合多くの日本人は照れてしまって、ただただ沈黙するのが常だ。
しかし当方は海外で、数々の修羅場を経験してきたので、すっかり外国人慣れしている。
満面に笑顔を浮かべて、「Hi!」と声をかけた。
するとこのロシア人風オトコもまた、「Hi!」と最大限の笑顔を返してきた。
たった四人しかいない部屋が、これで一挙に打ち解けた雰囲気になったところで、オトコが突然「日本国籍の方ですか?」と、全く流ちょうな日本語で話しかけてきた。
拍子抜けして「そうです」と答えると、「日本人はあっち側の部屋ですヨ」と教えてくれた。
 
慌てて部屋を移ると、そこには先客が四人。
その中には、派手派手な日本人女性と、これまたロシア人顔そのままの若いオトコが、大量の日本人パスポートを持ってVISA手続きをしている。
この二人組は、ロシア旅行業者に違いない。
ここで突然、オトコの携帯に電話がかかってきた。
するとこのオトコ、「ハイハイ、ボリスです」と、日本人以上にうまい日本語を話していた。
こんな外国人顔そのものの連中が上手に日本語を話すと、ロイ・ジェームスの昔から「変な外人」と思ってしまう。
 
やっと我々の番になったので、予て苦心惨憺して作成した書類一式を、回転式窓口に提出。
いかめしい顔の役人が、矯めつ眇めつチェックした後に、意外と簡単に「受け取りはいつ?」と聞いてきた。
何でも二週間以降ならタダ、日にちが近いほど価格が高くなるらしい。
別段急ぐ必要もないので、二週間後の受け取りを告げ、到着して30分くらいでVISA手続きが終了した。
 
それまでは、ロシア行きのVISAは手続きがややこしいので、業者に頼む方が良いと聞かされていたし、実際に費用8千円の代行業者もいるようだが、ネットを通じて知った赤の他人にパスポートを預けるのは気が進まない。
自分でやってみると、思っていたよりも、聞いていたよりも、さほど難しくはなかった。
これで最初の関門は通過、次はヨーロッパ諸国の具体的な観光地を調査し、名所旧跡のチケット予約へと移っていく。
とりわけ初めて訪問する、サンクトペテルブルグのエルミタージュ博物館が楽しみだ。