昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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やっと退院

昨日、十日間の入院を終え、妻が退院した。
 
突然左眉の位置がずれてしまったので、最初は脳梗塞を疑った。
しかし病院の診断結果は、突発性顔面神経麻痺。
未だに原因不明の難病で、治療方法はステロイドだけ。
この薬は劇薬なので、自宅での投薬よりも入院して医者任せにした方が安全だ。
そんな程度の理由で入院したのだが、顔面の麻痺も超軽度。
 
ちょっと見た目にはわからないほどなので、患者の妻は退屈で仕方がない。
悪いことに、軽症とは言え一応は麻痺があるので、テレビを見るのも本を読むのも億劫だ。
暇潰しには、誰かと話すしかない。
同室の入院患者は、いずれも重篤な癌患者だが、妻はその中の二人と特に親しくなったようだ。
 
この二人、症状が重い割には、立ち居振る舞いが明るい。
決して予断を許さない状況のはずだが、発言も行動も前向きだ。
果たして自分が同じ立場になった時に、同じような態度をとれるものだろうかと思うと、自然と尊敬の念を持ってしまう。
妻が病気になったのは不運だが、こんな人たちがいることを知ったのは思いがけない収穫だった。
 
突発性顔面神経麻痺の場合、治りは遅々として進まない。
医者からは、「半年はかかる」と言われている。
しかし入院直後から退院するまでの間でも、瞬きの時の瞼の閉じ方は間違いなく改善されている。
左唇の違和感が残っているので、喋ると少しモゴモゴした感じはあるが、他人が聞いても分からない程度だ。
退院後は、通院治療で完治を目指すことになる。
 
日常生活では、車の運転は控えた方が良さそうだ。
妻自身も、「運転する気にならない」と言う。
そうすると、買い物や病院通いも全て、当方が随行することになる。
去年の尿管結石の手術の時もそうだったが、当方がリタイアした途端、妻が体調を壊している。
仕事で現役バリバリの時なら、そうは家事全般に協力できないことを考えれば、巡り合わせとは言え、グッ・タイミングと看做すことが出来る。
これはちょうどそのリタイアの頃の年齢が、人間の体にガタが来る頃にぶつかるのだろう。
 
妻と同室の癌患者の生き様を見たのも、一種の運命的出会いだろう。
病気になってよかったとは思わないが、病気になったタイミングは悪くない。
何事もポジティブに考えれば、道が開けてくる。