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舛添要一の品性

語るに落ちる内容で、釈明すれするほどドツボにはまる。
然らばと二度目の釈明会見では、「第三者の厳正な目で精査」などと、ダンマリを決め込み、時間稼ぎに走る。
舛添要一の、二度に亘る定例記者会見は非難轟々になってしまい、問題鎮静化の兆しすらない。
自分でも「東京都民からの信頼を失った」と認めておきながら、都知事の職を辞するとは言わない。
こんな出鱈目が長続きすることはあり得ないので、如何に鉄面皮な舛添要一とは言え、早晩辞職に追い込まれてしまうだろう。
 
しかしそれにしても、舛添要一の公私混同振りには、開いた口が塞がらない。
まるで政治資金は自分の小遣いのような遣い方だが、それでも政治資金規正法には違反していないと言う。
この事実が、如何に政治資金規正法ザル法かを、如実に表している。
そんな舛添要一の記者会見の振舞いを見て、もうかなり前に観たテレビ番組を思い出した。
それは、ある詐欺師を特集したものだった。
その詐欺師は柄にもなく、必死に六法全書を勉強していた。
彼曰く、「法律の抜け穴を探せば、絶対につかまらない。」
そして次のセリフが、妙に印象に残った。
「犯罪者は六法全書で裁かれるが、法律の抜け道を見つければ、却って六法全書が守ってくれる。」
 
それほどの情熱があれば、司法試験を受験すればと思うが、彼の問題意識は全く違うところにあり、ひたすら悪事と金儲けの為だけに法律を利用しようと勉強していた。
舛添要一もまた、この詐欺師のような心根なのだろう。
舛添要一は、誰からも呆れられるような金銭感覚の守銭奴だが、巧妙に法律違反からは免れている。
彼は子供の時から、大変成績の良いオトコだったらしい。
東大法学部卒で、且つ若くして東大の助教授になっているくらいだから、一般的にはアタマが良いと言われるキャリアだ。
 
しかし彼は、その能力を天下国家の為に使おうなどとは微塵も思わない。
舌鋒鋭い論客で政治学者、コメンテータ、政治家は、自らの金儲けのための手段でしかない。
自分の全知全能を傾けて、どうすれば法律に違反しないで金儲けができるかを研究したのだろう。
それは彼が持って生まれた性なのか、はたまた貧困だった幼少時代に培われたものかは分からない。
しかしカネに対する異常な執念と集り体質は、尋常な品性とは全くそぐわない。
そしてその努力の結果、政治家になってみれば濡れ手に粟の金遣いができることを発見したはずだ。
現在の法律では、政治資金をどう使おうと決して罪に問われることはない。
そう確信した彼は、正々堂々と「会議費」「資料代」と申告して、税金を湯水のように使い始めた。
彼には、政治資金を私物化している罪の意識はなく、自分の立場はそれを許される特権階級だと思い込んでいたはずだ。
そうでなければ議員時代にあれほど自信満々に、「私は全ての政治資金使用を公開しているから、調べれば全てが分かる」と公言しないはずだ。
実際は、その申告書をちょっと調べただけで、舛添要一の公私混同が明らかになったのだが、彼の感覚では「法律に違反していないのだから問題はない」の認識しかなかったとしか思えないのだ。
 
しかし今問われるのは、法律に違反か否かではない。
誰だって、打ち出の小槌のような、使い放題の財布があればうれしい。
自分もそんな立場になりたいと思う。
しかし一般の庶民には、そんな都合の良いお伽噺は単なる夢物語だ。
だからそんなことを平然とやってしまったトップリーダーを、決して許すことはない。
東京都には抗議の電話が殺到して、業務に支障をきたしていると言う。
舛添要一に対するバッシングの高まりには、義侠心や正義心以外に、そんな感情も強い。
舛添要一は受験問題を解く能力は高かったが、ごく普通の世間常識は欠落しているし、人間の嫉妬心の凄まじさを理解していなかった。
 
因みに先の詐欺師は、如何に法律の抜け穴に精通し詐欺に成功しても、扱いは詐欺師でしかない。
今回の問題が発覚するほんの直前までは、日本でもトップエリートの一人だった舛添要一だが、政治資金規正法の抜け穴を利用して金儲けや資産取得に成功した結果、今後の世間での扱いは、「セコクて、カネに汚いヤツ」となり果ててしまった。