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オーストリアの最高峰、グロスグロッグナー

ほとんど予定なしの夫婦成り行き旅だが、この日は日本で予約していた「オーストリア最高峰グロスグロッグナー山観光」だ。
バスを利用した観光だが、実はミュンヘンで見た天気予報では、ザルツブルグの月曜日は雨。
そこでザルツブルグに到着した土曜日に、バスツアーの会社に出かけて日曜日に変更しようとしたが、すでにクローズ。
やむを得ず運を天に任せたのだが、当日の月曜日は、天気予報が見事に外れ、朝からザルツブルグ晴れの幸運さ。
バスがホテルに迎えに来てくれる手はずなので、朝食を早めに終え、準備万端で待つ。
ほぼ予定通りに来たのは、思いのほか小さいマイクロバス。
年のころなら50歳前後のオバハンが運転手のようで、にこやかに挨拶する。
我々夫婦は、最前列のいすを指定された。
乗客は全部で8名で、後ろの席はすし詰め状態なので、我々は特等席扱いなのだが、これは単なるラッキーだったのか、あるいは料金が違うのか、詳細は分からない。

ツアーがスタートしてしばらく走った後、運転手のオバハンが、当たり前のように「パスポート持ってるよね」と聞いてきた。
ドイツ国内にも入るので、ワゴン車で集団移動していると、難民と勘違いされパスポート提出を求められる事態も発生すると言う。
しかし事前の案内には、全く触れられていなかった。
所持していないと分ると、オバハンは困った表情になったが、意を決したようにそのままツアーを続行。
後で聞いたら、「万一の時は、貴方たちの宿泊ホテル名を言えば何とかなると思った」と答えた。
こんな場所にも、難民問題が影を落としている。

途中の九十九折り道路は、日光のいろは坂のスケールアップバージョンで、絶景が続く。
ミニ休憩を挟み、ザルツブルグからおよそ三時間で、フランク・ヨーゼフス・ヘーエでの昼食タイム。
ここはフランツ・ヨーゼフ一世が、妻のエリザベートを伴い、たびたび氷河鑑賞に来てた場所らしい。
確かにここからは、グロスグルックナー山と、パステルツェ氷河を一望できる。
氷河の方は、年とともに溶けていて、今やその上を歩こうと思うと、エレベータで三分の一ほどの距離を下がり、後は徒歩しかない。
しかしそこは、標高2369メートルの高地。
階段をちょっと登るだけで、直ぐに息が切れる。
結果として、半分も行かないうちに氷河に直接触れることは断念、気息奄々になって戻りのエレベータに辿り着いた。

ホテルに戻ると、すっかり疲れてしまった。
ガイドのオバハンから、有名なオーストリア料理店を教えてもらったたが、ホテルからは徒歩7分なので、今回はすぐそばのイタリア料理店へ。
ところが大人気なのか、入り口には長蛇の列ができている。
今更他の店に行く気もないので、順番待ちしていたら10分ほどで中に案内された。
周りの客を見渡すと、皿に収まり切れないほどでかいピザが並んでいる。
そこでパスタとサラダを各々一つずつ注文し、二人でシェアすることにした。
食べてみると、この店が大人気なのが分かった。
美味いし、安い、量が多い!
チェックに来たオネエサンが、「この店の創業者は私のオバアチャン」と、コースターの写真を指差した。
そこにはこの痩せたオネエチャンの30年後を想像させる、太って笑顔のバアサンの写真があった、。