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ドナルド・トランプがアメリカ大統領に

世紀の大番狂わせらしい。
アメリカだ大統領選挙で、圧倒的優勢と目されていたヒラリー・クリントンが、一年前までは共和党予備選挙ですら泡沫候補扱いされていたドナルド・トランプに惨敗した。
 
選挙の開票は、時差の関係で日本では11月9日朝から始まったので、ライブ中継を見ることが出来た。
開始早々は、アメリカのコメンテータですら、「これはヒラリーの勝利」などと予想していたが、時間が経過するに従い、トランプの赤カラーが優勢になった。
フロリダでトランプが勝った時点で勝負ありだったのに、それでも尚、コメンテータたちは未練たらしく「トランプ当選確実」と言わない。
結局はアメリカ時間で午前2時過ぎ、トランプがひな壇に登場し、「ヒラリーから祝福の電話があった」と発表して、大騒ぎの一日が終わった。
 
我が家にとっては、このトランプ勝利は大迷惑な話だった。
実は大方の見方と同様、この選挙はヒラリ-が勝つと思い込んで、前週の金曜日に某社の株を買っていた。
それがわずか二日間で40万円近い儲けとなり、ウハウハの気分だった。
ここでヒラリーが勝てば更に株価上昇、夢の百万円も達成できると思い込んでいたのに、トランプが勝ったために一気に暗転。
この日の結果としては、何と一日で40万円近い赤字となってしまった。
プラスマイナスの80万円は、一般庶民には大事だ。
まるで目算が狂い、大ショックの一日となった。
 
トランプ勝利を冷静に考えれば、アメリカの行き詰まりの表れだ。
巷間、FBIのメール問題再捜査が、ヒラリーに取っては致命的ダメージとなったとの説があるが、しかし今回の結果を見れば、例えその問題がなくても、ヒラリーが勝つことはありえなかった。
何故なら多数のアメリカ国民は、「世界の民主主義の盟主」みたいな使命感を放棄したがっているからだ。
従来のアメリカはお節介そのもので、アメリカの価値観の為には世界中に出掛けて戦争をしていた。
しかし今や、シリアの揉め事にも、地上軍の出兵は見送っている。
アメリカ国民には、国内経済も思わしくないのに、他国の面倒までは見切れない思いが充満していたはずだ。
そんなところに、「アメリカ最優先」を打ち出し、排外主義を標榜するトランプが現れたのだから、一気にベクトルが変わったのだろう。
 
実は経済面では、アメリカがモンロー主義に変わったとしても、日本への大きな影響はない。
仮に大幅に円高が進行しても、日本にはプラス面とマイナス面が混在しているので、トータルではチャラだからだ。
更に1ドル360円の固定相場から円高が進んだ過程で、主要輸出産業は生産拠点を海外に移設している。
また選挙で勝利宣言をした時のトランプは、実に穏やかな演説に終始し、事前のテレビ討論会で「監獄に送り込んでやる」と罵っていたヒラリーを称えたりもしていた。
その所為か、翌日の株価は前日の下げ分を取り戻すほど上昇した。
選挙結果がトランプに傾いたわずか三時間に暴落したのは、いったい何だったのだろうか?
結局のところ、アメリカの次の大統領がトランプに決定して世界的に不安感が充満したが、頭を冷やせば、全く今までと変わらない事態となった。
 
泰山鳴動鼠一匹だが、最早アメリカは、昔のアメリカとは違う。
トランプは、「日本は自力で中国と戦え」と突き放す。
日本にとっては、アメリカが日本を守ってくれるのは当たり前だった。
トランプは外交に素人なので、大統領に就任したら日米同盟の重大さを理解するとの見方もある。
そうかもしれないが、アメリカ人の中には、「日本は自国の安全にタダ乗りをしている」との見方があることも明らかになった。
日本の国防に関しては、アメリカに頼り切ってきた今までの政策を見直すタイミングと思うべきだろう。
日本は自力で自国を守り、アメリカとは是々非々のお付き合いが望ましい。
世界中が注目し、一喜一憂したアメリカ大統領選挙結果を見てそんな感想を持った。