昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

ストレスフルな生活とストレスフリーな生活

刺激とストレス。
実は一緒のことだが、刺激にはポジティブな印象があるが、ストレスにはネガティブ感が強い。
それほどストレスは、一般社会では嫌われモノだ。
 
僕は生来の楽観的な性格で、何事も「明日は明日の風が吹く」と割り切っていた積りだったが、それでも長い会社員生活の中には、何度か眠れないほど悩ましい事態を迎えたことがあった。
会社に行きたくない気分でも、会社に行かないと問題が解決しない。
見た目はは暢気そのモノだったかもしれないが、心中は芥川龍之介山中鹿之助
人知れず、深~い、深~い悩みを抱えつつ、スポーツ新聞で憂さ晴らしをしながら出社した。
そんなストレスフルな日の朝は、鉛を吞むような気分だった。
 
そんな悩みがなくなればどんなに目覚めが良いことだろう。
そのころの憧れは、ストレスのない生活。
ストレスこそが諸悪の根源、会社員が心身の健康を損なうのは全てがストレスの所為と信じ込んでいた。
 
時世時節を経て、三年前に晴れてリタイア、念願のストレスフリーの生活になった。
身も心も軽やか、実に爽快な日々が続く。
そう思っていたが、現実は厳しい。
仕事のストレスからは解放されたが、日常生活には様々な難問を孕んでいる。
美空ひばりが「越後獅子の唄」の歌詞と一緒、

♪今日も今日とて 親方さんに
♪芸がまずいと 叱られて
♪バチでぶたれて 空見上げれば
♪泣いているよな 昼の月

さすがに「芸がマズい」とは言われないが、家人の「稼ぎが少ない」視線は情け容赦がない。
 
もう一つ、しかも実に厄介なのが、冬場の朝だ。
僕は寒さには強い方のなので、少々気温が下がってもさほど気にはならない。
しかしそれでも、冬場に布団から抜け出すのには、かなりの勇気を必要とする。
特に人肌で温まった布団の心地よさは、他の何物にも代えられない。
昨晩は9時半には就寝、今朝の5時半まで完璧に眠り込んだ。
途中目を覚ますことなく、8時間も眠り続けたのだから、目覚めは上々。
ところがどうしても、布団から出る気にならない
トイレが我慢できなくなる限界まで、そのままグズグズと布団の温もりを満喫してしまった。
 
現役時代はこうはいかない。
どんなに布団が恋しくても、ある時間になると、何が何でも起き出さなければならない。
今は、家人の厳しい眼差しは完全シカトを決め込み、布団の誘惑に勝つか負けるかが、ハムレットの心境にも似た一番の悩みだ。
 
しかし例え世間的にはお邪魔虫になっても、適度なストレスは生きていく上で必要不可欠だ。
好き勝手に寝ていることが出来るのは引退老人の特権と思っていたが、しかしこんな緊張感のない生活は、人間を怠惰にしてしまう。
たかが布団のストレスだが、ボケを防ぐために少しは役に立っていると前向きに悩むことにした。