昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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テロ等準備罪に反対する共産党のチラシ

我が家の郵便受けに、テロ等準備罪に反対するビラが入っていた。
出し元は「共謀罪No!実行委員会」、共産党系の組織だ。
見出しは、
・冗談も言えません。
・広範な対象犯罪、市民の日常生活が監視される。
・普通の団体が「テロリズム集団」や「組織的犯罪集団」に。
共謀罪はテロ対策法ではありません。
・日本は国連などの求めるテロ防止条約は全て批准しています。
 
その主張は、「酒席で会社の幹部を殴ろうと意気投合したら、何もしなくても罪になる」とか、「市民が監視される」とか、実に旧態依然としたものばかりだ。
彼らは今までも、「戦争への道を進む戦争法案反対」とか、「日本がアメリカの戦争に巻き込まれる」とか、市民の危機感を煽り続けてきた。
しかし今もって「戦争への道を歩んでいる」と言われても、どれだけ長く歩み続けているのだろう。
今回もまた同じように主張しても、それは現実味のない、相も変わらない「印象操作」を繰り返していることがバレている。
それに今の国際的テロリズムは、イギリスのコンサートテロにしても、国連が求めるテロ防止法案では防げない質と規模になっている。
更に言えば、普通の団体をテロ集団と看做して監視するほど、権力側は暇ではない。
それなのに、「貴方も監視されます」と訴えて、もはや共産党の支持が拡大することはない。
 
僕は共産党共産主義を忌み嫌う人間だが、多くの共産党員が、真剣に世の中の不正を正そうと日々努力している姿は知っている。
共産主義大義と理想を信じ、その実現こそが人類の平和につながると信じ込んでいるし、その為にはいかなる労苦も厭わない。
五月とは思えないほどの炎天下で、こんなチラシを個別家庭に配って回る共産党員は、きっと真面目な人なのだろう。
しかし僕は、そんな真面目な人たちに、敢て言いたい。
貴方が信じている共産主義は、間違っている!と。
 
何故なら、共産主義こそ、究極のエリート主義だからだ。
本来なら理想的社会のはずの共産主義国家の全てで、幹部と一般党員の待遇には差があり、最終的には幹部党員の腐敗堕落が問題になる。
それは幹部党員は、一般大衆に先駆けて覚醒した指導者であり、他に代替の利かない唯一無二の存在と位置付けられるからだ。
激烈な階級闘争を経て資本家階級を打倒した旧ソ連レーニン、中国の毛沢東が、人民の先頭に立って革命を指揮している姿が世間に流布されているが、彼らが戦闘に直接参加することはありえない。
彼らが万が一にも怪我でもしたらリーダー不在になり、全ての運動に齟齬をきたす。
だから彼ら指導者は、絶対安全な作戦本部で熟慮し指示することはあっても、一兵卒と同じ場面で、銃を持って戦うことはありえない。
そんな指導者や幹部への特別待遇は、日常生活の全てで施される。
食べ物も住まいも、あるいは家庭も、彼らだけは特別扱いが許されている。
 
思想信条が如何に堅固でも人間には我欲があり、将に彼らが信奉する哲学者、カール・マルクスが喝破したように「存在が意識を決定する」。
日常的に特権的立場を甘受した人間は、それを維持しようと努力し、閥を作る。
全ての共産主義国家で特権階級が出来るのは、いつの間にかエリートたちが当初の理念を忘れ去り、自らの地位を守ろうとするからだ。
 
そんな幹部連中に指導され、共産主義実現の為に貢献しようと、末端の共産党員はひたすら馬車馬のように働き続ける。
しかも共産党では幹部批判は厳禁で、徹底した上意下達の組織集団だ。
目的達成のためには、人間らしい自由闊達さは犠牲になる。
そんな組織で、党と幹部連中からの評価を求めて滅私奉公する末端の共産党員は哀れだ。
 
共産党のチラシは、我が家に配布された直後に破り捨てられた。
共産主義者が我が家に近づくのは御免被りたいが、これで少なくともこのチラシが、我が家以外の一家族の目に触れなかったことを良しとしよう。