昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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スマホ首

最近になって、スマホ首が問題になっている(らしい)。
英語でも「text neck」と言うくらい、万国共通の災いで、スマホでメッセージを送る時の首の格好を意味することも知った。
長時間スマホを見続けたり、同じ姿勢を反復していると、頚椎、神経、椎間板を圧迫、首の筋肉に大きな負荷がかかり、首痛や様々な弊害が出るようだ。
要は、長時間スマホは体に悪いですよ!って警告だ。
こんな症状は、スマホ出現の前までは絶対になかった………はずだが、少なくとも僕の場合は違う。
 
僕はそんなに長時間、スマホに首ったけではないので、絶対にスマホ起因ではないが、習慣的にスマホ首で生活していた。
具体的に言うと、坂本九の「上を向いて歩こう」の逆バージョン、いつも下を向いて歩いているのだ。
自覚していたわけではない。
ただ僕が、しょっちゅう落とし物を拾って帰ってくるくることから、妻がそれに気が付いた。
妻に言われて自分の歩く姿を観察すると、確かにおよそ1mか精々2m先の道路を見つめながら歩いていた。
 
生まれてこの方、自分の歩く姿勢など考えたこともなかった。
少なくとも物心ついて以来、ずっと同じ姿勢で歩いてきたし、それに疑問を持ったこともなかった。
何故なら、自分にとってそれが一番楽に歩くことが出来る姿勢だったからだ。
ところがそれでは、スマホ首と同様に、歩いている間は首の筋肉に歪な負担をかけていたことになる。
 
実は人間は、スピードが遅いほど遠くを見る習性があるらしい。
車を運転するよりも自転車に乗る方が、それよりも走る方が、更に歩く方が、スピードは遅くなり、その分視野は広がる。
そしてそれは、目にも優しくなる。
社会がスピードを要求するに従い、人間は自分の目や体に負担をかけている。
だからスローライフがお勧めだとも聞いていた。
 
しかし僕は、折角のそのスローライフの実践でウォーキングをしているにも拘らず、下を向きながら実に近いポイントしか見ていないのは、誠に勿体ないことだ。
これはイカン!
と大いに反省し、遠くを見ながら歩くことを固く決心した。
 
ところが如何にも簡単そうに聞こえるが、言うは易く行うは難し!
遠くを見ながら歩くのは、結構難しい。
僕の場合、前日録音しておいたNHKラジオ英会話講座を聞きながらウォーキングしている。
ところが遠くを見ることに気を遣うと、肝心の講座を聞くことが疎かになってしまうのだ。
逆に言うと、それほど集中しないと、「遠くを見ながら歩く」ことが出来ない。
油断をすると、ちょっとした切っ掛けで、例えば誰かとすれ違いざま挨拶した次の瞬間には、もう下を向きながら歩いている。
たかが歩く姿勢だが、70年近い実績を積み重ねていると、急な変更ができないものだ。
 
昨日、「正しい姿勢で百歳まで歩こう」の本を買った。
歩く姿勢一つで、人間は長生きもするし、却って病気を誘引することにもなるらしい。
僕の歩行姿勢は決して褒められたものではないが、幸いにも今のところスマホ首の弊害は表れていない。
少々長丁場を覚悟して、遠くを見ながら歩く癖を身に着けよう。