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ワールドカップが終わってしまった

日本のスポーツ文化には、「ミスを責めない」のが美徳のような風潮が強い。
この傾向は、朝日新聞主催の高校野球に特に顕著だ。
バッターが弱気になって見逃し三振しても、決してバッターを責めず、「ナイスピッチング」と投手を褒める。
内野手が簡単なエラーをしても、「打者の執念が勝った」とか言って、内野手を責めず打者を褒める。
高校野球の場合、高校生の将来性を考慮するのは分からないでもない。
しかしこんな実況中継や解説は、決して選手の為にならないし、また見ているファンの目も肥えることはない。
 
現在、決勝トーナメント真っ盛りのサッカー、ワールドカップは、世界中の超一流プロが、四年間磨き上げた己の技術を披歴する場所でもある。
当然ながらそこでのプレイは全て、サッカーマスコミにとっては厳しい品評会の場ともなる。
サッカーが社会の底辺にまで浸透し、フーリガンのようなサポーターも数多いるヨーロッパや南米では、試合の翌日には各選手ごとの点数評価が出され、ナイスプレイの選手は称賛されるが、ミスをした途端、罵詈雑言が浴びせられる。
そんな厳しい環境が、選手を鍛え上げているとも言える。
 
一方、サッカー発展途上国の日本はどうだろうか?
残念ながら日本には、試合内容を客観的に分析し、適切なアドバイスを送る報道関係者が少ないし、試合結果を次に生かすために、敢て厳しいコメントをする解説者もいない。
(わずかに、セルジオ・越後だけは辛口評論家だが、極めて例外的存在だ)
 
今回のW杯決勝トーナメントの対ベルギー戦。
日本は、初めてのベスト8進出かどうかだけでなく、予選リーグ第三戦が物議を醸す内容だったので、この試合は世界中が日本サッカーの評価を決定するほど重要だった。
結果として、日本は予想を覆すほどの大善戦だったので、日本のやること為すことにイチャモンをつける韓国以外には、あの対ポーランド戦を否定的に言う連中は最早世界中でいないだろう。
 
しかし同時に、ほとんどの日本人ファンは、あきらめきれない思いもあるはずだ。
実は僕は、相手がワールドランキング3位のベルギーでは、ボロ負けもあると覚悟していた。
しかしそんな強豪ベルギーに対して、一時期日本は二点もリードした。
見方にもよるが、サッカーの二点は大差でもあり、例えば「モーリーニョ監督なら絶対に追いつかれない手を打つ」とも言われる。
ついつい、「ひょっとしたら」と夢を見てしまった。
 
ところが日本最大の弱点、キーパーの川島永嗣が、全てをぶち壊す。
この日の川島は、前半からヘナチョコパンチのクリアを繰り返し、都度日本を窮地に陥れていた。
これはキャッチングミスを恐れる、川島の気の弱さの表れだ。
その川島はポジショニングにも難があり、パンチングでミスをした上に、到底シュートとも言えないセンタリングのようなヘッディングで簡単にゴールを割られた。
次の二点目もまた、川島の反応の鈍さの所為だ。
要は、川島さえしっかりしていれば、ベルギー戦大番狂わせも、目の前にあった。
 
ところが放送しているNHKアナウンサーも、解説者の山本ガ昌邦も、決して川島を責めない。
川島のミスは僕のような素人だってわかるレベルなのに、「今日の川島は素晴らしい」と、褒めたりまでしていた。
そんなヘボ放送、ヘボ解説なんて有りか!
 
勝敗は時の運もあり、負けたからと言ってそれだけの理由で批判するべきではないだろう。
しかし負け方も大事だ。
35歳のキーパー、川島永嗣に拘った西野朗監督は、日本の将来をどう考えているのか。
西野監督は、決勝リーグに進出するために、世界を敵に回すような作戦に打って出た。
今に至るも賛否両論が姦しいが、そんな戦略的な監督なら、老体で反射神経が鈍り、且つ弱気の虫に取りつかれている川島永嗣を何故若手に代えなかったのか。
40分間近い泡沫の夢物語から覚めた今、キーパーと監督への憤怒と無念さで、体が震える思いだ。