昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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テレビ番組はヤラセ

最近人気のテレビ番組に、「出川哲郎の充電させてもらえませんか」がある。
出川哲郎と言えば、一昔前までは嫌いなタレントナンバーワンだった。
しかし時が変われば、評価も変わる。
出川哲郎は、今では子供たちから「可愛い」とか「カッケ~」とか言われ、大人気スターとなっている。
この番組は、風光明媚な観光地を電動バイクで走破する出川哲郎が、台詞をとちったり、バイクのエネルギーが中途でなくなって苦労するが、親切な人たちに助けられながら旅を続ける構成となっている。
 
出川哲郎のドジで間抜けな失敗談が却って親近感を醸し出し、最近のテレビ東京では視聴率を稼いでいる番組の一つだ。
そしてこの番組のもう一つの売りが、電動バイクの充電を「行き当たりばったりのノンアポでお願いする」ことにある。
エネルギー切れで窮地に陥っている出川を、通りすがりの店々や人々が快く助ける。
出川や一行は、そのもてなしのお礼に簡単な手助けをしたり、最後に「やばいよシール」と感謝の思いを告げて、次の目的地に向かう。
将に、好感度抜群タレントに成り上がった、出川哲郎の魅力満載。
中々にほのぼのとした番組で、僕は比較的楽しみにしている。
 
しかし、この番組で度々強調する「ノンアポ」はウソだ。
 
何故なら、余りにも舞台が出来過ぎているからだ。
例えば出川がツーリング中、「たまたま富士スピードウェイの横を通りかかる。
するとそこには、スポーツカーの爆音が轟いている。
クルマ大好きな出川は、「ぜひ見てみたい」とノンアポで立ち寄り、入場と撮影の許可をとる。
するとそこに、総務関係者の女性が登場し、案内まで買って出る。
思わぬ展開」に大喜びの出川の下に、これまた「たまたまテストドライブを終えたばかりの日産自動車のドライバーが近づき、今度はレーシングカーまで紹介してくれる。
その年のナンバー2だったレーサーの親切な案内に、出川は大興奮!
と、このような展開だったが、その直後のテレビには、何とスポンサー日産のコマーシャルが流れた。
 
その他にも、「たまたま」エネルギー切れで充電先に選んだ民家で、他のゲスト出演者と合流する。
本来ならノンアポで、誰にも知られていないはずなのに、既に多くの住民が出川一行を待ち受けている。
そこの住人たちは、お婆ちゃんからオバハンまで、バッチリ化粧を決め込んでいる。
たまたま「出川さん大歓迎」のテロップが流れる弁当屋に気が付き、工場見学の上、出川が店の宣伝をして全員で記念撮影。
 
そんな奇跡的な偶然なんて、続くものか!
 
別段ルポルタージュでもないし、報道番組でもない。
だから、仕込みやヤラセは当たり前だ。
「テレビなんてそんなもの」と誰もが同じ思いのはずだが、中には、偶然の出会いの割には親切な人が多いとか、次の充電まで大丈夫かと心配しながら見ている人もいるかもしれない。
情報弱者と言われる人たちは、無意識のうちに、テレビから流される情報は何でも正しいと信じ込む傾向が強い。
 
テレビ番組の最大の問題点が、ここにある。
一見テレビは、あたかも真実を報道、放送しているように見えるが、どの番組も全てディレクターや放送作家の思惑のもとに作成されている。
そこには、どうすれば視聴者の関心を惹きつけられるか、どうすれば人気が出るかの綿密な計算がある。
そこに政治的思惑が加わると、例えニュース報道であっても、アナウンサーのイントネーションだけでも印象操作になり、伝える側の思いが刷り込まれてくる。
 
たかがバラエティ番組だが、タレントにウソをつかせて人気を煽るのは感心しない。
しかし現実は、ドラマだけでなく今の全てのテレビ番組には、番組製作者のフェイク情報が織り込まれていると用心した方が良い。