すっかり悪役が定着した朝青龍。
病気を理由に地方巡業をすっぽかし、故郷モンゴルでサッカーに興じていた為、謹慎四か月の大厳罰を食らってしまった。
今や、本人は情緒不安定らしく、ひょっとしたらこのまま引退かと言われるほど、追い込まれているようだ。
朝青龍には、「四年以上も一人横綱として頑張ってきたのに」と、今までの努力が何ら評価されていなかった事が大ショックらしい。
確かに相撲協会の手のひら返しぶりはあきれるほどに見事だ。
白鵬が横綱になるや否や、今まで大目に見てきた朝青龍のモンゴル行きにクレームをつけるだけでなく、「いっそ引退でもしたら」とばかりの処分を下す。
マスコミも、一斉に朝青龍タタキに走り、「地方巡業は、朝青龍抜きでも大盛況」と、つい先場所も優勝したばかりの最強横綱でも、もはや不要キャンペーン一色だ。
身から出た錆とも見られている。
日頃から素行が悪く、誰も応援してくれる人がいないとも言われている。
日本の国技、相撲では、強ければいいものではないとの説教も聞こえる。
しかし、朝青龍は、「強い事こそ横綱の使命」と思い、彼なりに努力してきたはずだ。
稽古の絶対量が不足しているとの批判もあったが、それでも２０回以上優勝しているのだから、文句を言われる筋合いではない。
そう言えば、横綱審議委員の内舘女子は、朝青龍が懸賞金を受け取る時、左手でチョンチョンするのを、日本古来のしきたりに反すると文句を言っていたが、その昔、初代若ノ花は同じしぐさをしていたが、文句を言われた事はない。
ちなみに朝青龍は、その後右手で所作するように変わっている。
モンゴル人が、異国日本の相撲界で最高位横綱にまで登り詰めたのだから、その才能と努力は大いに評価されてしかるべきだ。
しかも、朝青龍がいなかったら、この五年間の相撲は全くつまらないものだっただろう。
日本国内では、大半の意見が「朝青龍の行為は許されない」でまとまっている。
しかし、ズル休みをして、こっそり家に帰るなんて誰だってあったのではないだろうか。
現に、朝青龍は、今までたびたび同じ事をやってきた常習犯だったのだから、さほど罪の意識があったわけではなさそうだ。
今まで見て見ぬふりをしてきた相撲協会が、ここにきて急に厳しくなったので面喰っているだろう。
ここまで来たら言い訳しても仕方がない。
ひたすら耐え忍び、年明けに再度優勝して、土俵上で見栄を切ってほしい。
もう一度、朝青龍の優勝姿を見てみたい。
それにしても、サッカーでの朝青龍のヘッディングは素晴らしかった。
彼は、おそらく何をやっても大成功したアスリートだと思うビデオ放送でした。
