昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

もういいよ!

僕には息子が二人いるが、両方とも全く結婚する雰囲気がない。
親戚縁者は心配して色々と世話を焼こうとするが、我々夫婦は「そんなの息子の勝手」と放任している。
勿論、彼らが結婚すると言えば反対する事はないが、かといって積極的に結婚を勧める積りもない。

だから、孫の顔を見る事はないかもしれない。
僕の親父は、常々「孫ほど可愛いモノはない」と溺愛していたが、生涯そんな感激を味わえないかも知れない。
僕の周辺でも、孫の自慢話に熱中する連中は多い。
だけど、孫が出来なくても、それならそれで良いと思っている。

孫が出来たら、彼の成長を見守らなければならない。
しかし、今からの世の中で、子供が順調に大人になるには試練が多すぎる。
たまに街中でも可愛い子供を見かける事があるが、最近では「この子にも今から辛く長い人生が待っているのだナァ」と、むしろ可哀そうにすら思える。

僕自身、人生をもう一度青春からやり直したいと思った事はない。
「もういいよ!」が実感だ。
今迄の人生を、後悔しているわけではない。
むしろ良い事の積み重ねが圧倒的に多く、ラッキーな人生だったと思っている。
しかし、こんな事がもう一度あるとは思えない。
それほど、今の世の中には閉塞感が満ち溢れている。

我が家の息子たちは、経済面からも結婚を夢見るような余裕もなさそうだ。
僕たちの時代は、毎年給料が上がった。
結婚して家を持ちたい、家族と楽しい生活をしたいと、前向きな希望があった。
しかし現在は、「春闘」や「ベースアップ」なる単語も死語となっている。
給料は据え置かれるし、ボーナスだって確実なわけではない。
未だ給料の不満など良い方で、仕事そのものがなく就職できない若者も増えている。

僕の残りの人生は大して長くはないが、今から家庭を持ち、子供を育てる人達には大変な苦労が待っているはずだ。
理想を言えば、それを夫婦で協力しながら乗り越えるのが素晴らしい結婚生活だろう。
しかし、食糧不足、原油価格高騰、産業の空洞化等々、先行きの不安感や不満だけが充満している今の日本で、果たして新たな生活は成功するものだろうか。

僕は、息子たちに対しても「もう頑張らなくていいよ!」と思っている。