昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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60歳代はゴールデンエイジ

ゴルフを一緒した紳士が、昼食の時に徐に切り出した。
「自分は65歳まで働いた。実に勿体無い事をしたものだ。もっと早く仕事をやめるべきだった」
会社でもかなりの地位まで上り詰めた御仁のようだが、60歳以降の会社生活は全く評価できないらしい。
「大体、年寄りなんかいなくても会社は運営できるものなのに、いつまでも俺が俺がとシャシャリ出ている。滑稽だ」と、まるで遠慮なく会社にしがみつく連中をこき下ろす。
この手の人にかかると、未だ会社人間の当方、全く肩身が狭い。

彼によると、今の60歳代はまさにゴールデンエイジ。
気力、体力共に隆盛。
何より、資金力がある。
会社の人間関係なんて、仕事を離れた途端にまるで役に立たなくなる。
その点、仕事を離れたコミュニティは死ぬまで継続するし、かつ濃密となる。
早く仕事を離れ、あらゆるチャンスを生かし、付き合いを拡げる事。
ちなみに彼は、NHKの俳句講座に出演中であり、料理学校に通い、合唱団に所属し老人ホームを慰問、その他時間が許す限りあらゆる催し物に参加している由。

老人ホームでコーラスを披露すると、聴衆がみな大喜びをしてくれる。
歌っている方も、臍下丹田に力が入るし、肺活量が鍛えられるし、いい事尽くめ。
ただ、舞台の彼我の年齢は大して違わないが、向こう側とこちら側では覇気が違う。
自分は、いつまでもこちら側で歌い続けたい。
彼は、たいそう元気にそう語った。

「ゴルフは?」と聞くと、「ゴルフは体にも心にも良いが、金が掛かり過ぎるので月に二回くらいのペース」らしい。
一回について費用が小一万円かかるゴルフ代に比べると、他の趣味は只に近いほど金が掛からない。
年をとって仕事を離れたら、経済的な裏づけが一番なので、出来るだけ金のかからない趣味のほうが長続きするようだ。
彼をお勧めは太極拳で、「あれは最高!健康に良いし金は不要、かつ時間がつぶせる。」
確かにそうだが、あんな退屈な動きを毎日やる気になるものかなぁ。

まだまだ現役に未練がある当方、些か耳の痛い話だったが、老後を考えると、ゴルフに偏った趣味を見直す必要がある。
今迄の仕事が営業だったので、他人への気配りばかりに腐心した。
だから、老後はひっそりと暮らしたい気もする。
さりとて芸術面では、絵心も、音楽への才能もない。
ゴルフと盆栽以外には、これと言った特技もない。
今更ながら、地域の老人達と仲良くする術を身につけなければ。
そんな危機感を持った。