昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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籠池夫婦はいずこに?

最近のワイドショーは,日本ボクシング連盟山根明会長の告発問題一色だ。
キャラが際立ち、且つ悪相、押出が強く、毀誉褒貶が激しい。
本人に妙に気負ったところがあり、「オトコ山根、逃げも隠れもしません」とインタビューを受けまくるので、話せば話すほどボロが出る。
恐らくは会長辞任までは大騒ぎが続くし、金銭スキャンダルにつながれば、刑事事件の可能性だってある。
元々スポーツ界が清廉だなんて誰も思っていないが、レスリング、ボクシング、アメリカンフットボールと、頑迷固陋な年寄り連中が跳梁跋扈していた実態を知ると、流石にウンザリしてしまう。
そんな格好のネタを手に入れた所為か、ワイドショーは直近の野党国会議員の関与が疑われている文部省汚職問題を完全スルー、一年以上に亘ってひたすら「疑惑だ、真相究明だ」と喚き立てていた、あのモリカケ問題すら取り上げない。
森友学園問題の主役、籠池夫婦が釈放されても無関心を続けるマスコミの姿勢には呆れるばかりだ。
 
そんな中で、月間HANADA9月号を読んだ。
この雑誌はたまに購入していたが、今月号に関しては、籠池泰典の長男、籠池佳茂と評論家の小川榮太郎との対談、オウム犯人処刑に関する江川紹子の投稿、櫻井良子と有本香の小池百合子批判の対談を読むだけでも価値がある。
中でも籠池佳茂の発言は、籠池夫婦が如何にして菅野完や野党勢力に絡めとられたのかを詳細に供述している。
それは僕が昨年5月のブログ「拝啓籠池泰典様」で、国会に証人喚問された籠池泰典の思いを推測した内容とほぼ同じだった。
僕は、元来強硬な保守的教育者を自称していた籠池泰典が、突如として仇敵だった菅野完や野党四党と組み、安倍政権批判の先頭に立ったことの短慮さを指摘した。
その時に、菅野や野党は、安倍政権の足を引っ張る道具として籠池一家を利用しているだけなので、ご用済みになったらすぐに捨てられると警鐘を鳴らした。
しかしその後の籠池泰典は、迷走に迷走を重ね、秋葉原の集会で安倍首相をヤジり倒したり、果ては偽の百万円束を持ち出したり、どう考えても逮捕前に正気を失っているとしか思えなかった。
 
その後籠池夫婦は詐欺容疑で逮捕されるが、取り調べが終わっても証拠隠滅の恐れありと、中々保釈許可が下りなかった。
するとマスコミと野党は、「安倍首相への忖度」とか、国策捜査と批判を繰り返した。
その籠池夫婦が、今年5月25日、10ヵ月の拘留を経てやっと保釈された。
さあ、新証拠が何一つなく、まるで中だるみ気味だった森友問題だが、主役が復帰して一気に倒閣へ!と思いきや、その後どのマスコミからも籠池夫婦に全くお呼びがかからない。
あれほど籠池夫婦を利用して反安倍キャンペーンを繰り返したマスコミの、この冷淡さは一体どうした事か。
マスコミ、野党勢力共に、モリカケ問題で白旗を上げたかのような体たらく振りは、保釈後の記者会見でも、安倍政権との対決姿勢を隠さなかった籠池夫婦にとっては、全くの計算違いだろう。
これでは「まだ諦めていない」はずの小学校建設も、思うに任せない。
 
籠池夫婦は、安倍首相とは直接の接点がなかったために、首相夫人を利用して権威付けを図った。
幼稚園児に教育勅語を暗唱させたり、「安倍首相頑張れ」と唱和させたり、その独自の教育方針は保守勢力には一定の支持者がいて、当時の百田尚樹が「ぜひ一緒に頑張ろう」と応援メッセージをツイッターしたほどだった。
その彼は、一方では不正手段で補助金をだまし取る、如何わしい詐欺師でもあった。
そんな彼が反安倍首相派に転向した事を一番ホッとしたのが、実は安倍首相本人ではないだろうか。
安倍首相支持と言われれば無下にはできないが、安倍首相打倒なら、あの胡散臭い夫婦に対しては、何一つ遠慮はいらない。
一方ではマスコミ、野党勢力もまた、籠池夫婦には詐欺の片棒を担がされるような危うさを見てきたはずだ。
結果として籠池夫婦は、安倍政権側からと野党側からの両方から、梯子を外されてしまった。
 
僕は、籠池夫婦は保守の立ち位置を投げ打って、菅野完と野党と協力した時点で終わったと思っている。
何故なら、世の中には野党の補完勢力になる自称文化人どもは、吐いて捨てるほどいるからだ。
籠池夫婦が教育者として名を残したかったのなら、希少価値の高い保守的立場を死守するべきだった。
人間はやはり、首尾一貫、誠実、真実一路に勝るものはない。
「身から出た錆」と言えば身も蓋もないが、誰からも相手にされない籠池夫婦の今の窮状を見ると、改めて天網恢々を感じる。