ロンドンで、フェルメールの名画を見る!
今回のヨーロッパ旅、大目標の一つだ。
前日、ケンウッドハウスで、そのうちの一枚を見た。
続いて本日、クイーンズミュージアムにあるはずの残り一枚、「音楽のレッスン」を見に出かけた。
地下鉄ヴィクトリア駅で下車し、クイーンズミュージアムでチケットをゲット。
この日はレオナルド・ダ・ヴィンチ展をやっていて、チケット売りのおばさんが盛んに「ここだけか、それとも美術館全体を見るか?」と聞いてくる。
我々夫婦は、ダ・ヴィンチなんぞはついでの話、本命はあくまでフェルメールなので、「もちろん全部を見る」と、ずいぶんと高い入場料を奮発した。
先ずは手荷物検査を受け、チケット売り場につながるダ・ヴィンチ展を見学。
ダ・ヴィンチは、彼のあらゆる作品の前に入念に下絵を描いていたらしく、膨大な数のデッサンが展示されていた。
それは名画だけでなく、人体や動物図、地図にまで至っていて、天才ダ・ヴィンチの面目躍如だ。
特に有名な「最後の晩餐」の下絵群の前には、熱心なダ・ヴィンチファンが押しかけていて、矯めつ眇めつ、前進したり後退しながら見つめている。
それはそれで凄いのだが、我々夫婦はどこか急ぎ足での鑑賞になる。
ダ・ヴィンチ展には一時間弱もいただろうか、イソイソ気分で次の展示場を探すが、近辺にはありそうにない。
例によって、係員に質問したところ、「出口を右に曲がって徒歩二分の場所」と教えられた。
取るものも取り敢えず、次のチケットの場所「The Royal Mews」へと急ぐ。
ここはいきなり入り口に馬が二頭して、馬糞や馬の体臭で臭い。
こんなところにフェルメールがあるのかと訝しく思うが、そのまま進むと、次はイギリス王室用馬車が年代順に並び、最後はロールスロイスが展示されていた。
更に金ピカのエリザベス女王用馬車を見ると、それでお仕舞い。
知らないとは恐ろしいもので、何とそこは世界最高峰の厩舎、要は馬小屋で、英国王室が移動する時の馬車や馬を見るところだったのだ。
そんなところで、フェルメールが見られるはずがない。
事ここに至ると、フェルメール禁断症状を発したヤク中毒患者のようで、慌てて、男性係員に「フェルメールはどこで見ることができるか?」と質問する。
ところが帰ってきた返事は、「それはパレスにあり、8月から9月だけ公開されるが、予約が必要」だし、「このクイーンズミュージアムにはない」と断定された。
何のためにここに来たのかと諦めきれない思いで、更に別の二人の係員にも質問を繰り返したが、全員同じ返事をする。
ダ・ヴィンチ展を見た後、何度「フェルメールはどこ?」と口にしたことか!
計画を立案した妻によると、ここにフェルメール作品がある根拠とは、「三年前のブログに、クイーンズ美術館で見たと書いた人がいた」程度の情報なので、事情が変わったのかもしれないし、ブログを書いた人の勘違いかもしれない。
しかしいずれにしても現実には、はるばるロンドンまで渡ってきたが、この7月にフェルメールを見ることができないことだけははっきりした。
期待が大きかっただけに、ガックリ!
傷心のまま、バッキンガム宮殿横の公園ベンチで休もうとしたら、オジサンが近づいてきて「このベンチは有料」とカネを請求する。
慌ててその場を立ち去り、ちょうど昼食時間になったので、少し歩いて日本食「東京ダイナー」へ行くことにした。
ホテルのスマホを頼りに、15分歩いて到着。
ザルそばを頼んだが、これもまた、日本のインスタントみたいなもの。
但し料金が税込み8ポンドと良心的だし、インド人ウェイターが流暢な日本語で応対するのが好印象。
この後、ナショナルミュージアムで、既に見ていたフェルメール絵画二点と、一昨日閉館中で見損なった印象派作品を多数見て、少し留飲を下げた。
ホテルで休息後、今度はホテル近くのヴィクトリーアンドアルバート美術館へ。
ここは全部見るには半日以上かかる大美術館だが、入場料は無料。
中国、日本、韓国、イスラム諸国の展示室があり、日本の着物や浮世絵、刀、仏像などが、これでもかとばかりに並んでいる。
地下一階、地上四階に亙って様々に展示されているらしいが、0階を見ただけで腹いっぱいになった。
夕食は、八年ぶりにタイ料理「PATARA」へ。
前回は道に迷い、店を見つけ出すまで一時間以上もサウスケンジントン駅周辺を彷徨ったが、今回はすんなりと到着。
この店のタイ料理は、本当に美味い。