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皇統は危機に瀕している

最近の世相を見ると、二千年続いた日本の皇統が絶体絶命のピンチに遭遇していると感じてしまう。

以前も書いたことがあるが、ネット社会ではA宮家の評判がすこぶる悪い。

特にご長女の結婚以来、A宮家の教育方針だけでなく、ご当主やその奥方の人品骨柄、あるいはご子息たちの学業成績が揶揄の対象となっている。

真偽のほどは不明だが、ご当主の氏素性に対する疑惑まで公然と語られる。

 

A宮家を攻撃するこの連中の共通意識は、だから次期天皇はご本家のお嬢様こそふさわしいとなっている。

更に新聞社のアンケートでは、次期皇位継承者に女性天皇を認めるべきとの意見が九割を超えた。

これは言い換えれば、次の天皇陛下はご本家のお嬢様をとの意見だ。

こんなアンケート結果やアンチA宮家YouTubeをみると、世間はA宮家否定論者ばかりかと思うが、実はそうでもない。

ネットでは強硬なA宮家支持の連中も存在している。

そしてA宮家支持の連中は、さすがにご本家の当主様へは遠慮があるが、その奥方やお嬢様に対しては辛辣な悪口が投げつけている。

 

現在の皇室典範がある限り、次期とその次の天皇までは決定事項であり、女性天皇が誕生する可能性はない。

だから普通に考えれば、次の皇位はA宮家に移る。

しかしそうなったら、今ネットで暴れまわっているアンチA宮家の連中は、確実に皇統にそっぽを向くだろう。

だからと言って、皇室典範が改正されて女性天皇が誕生した場合、今度は万世一系でA宮家を支持している連中が反発する。

いずれの事態でも、皇統への尊崇の念が半減してしまうのだ。

 

何故こんな事になったのだろうか?

それは日本に民主主義が定着したことが大きい。

民主主義は主権在民であり、言論の自由が最重要視される。

天皇は国民の象徴と位置付けられ、何の実権もない。

だから日本国民からどんな批判を浴びようと、あるいは名誉を棄損されようと、反論や対抗する手段を有していない。

民主主義の負の部分だが、皇室に関しては誰が何を言ってもお咎めなし、即ち皇室は言われっぱなし状態なのだ。

 

実は日本の皇室と親しかったタイ王室でも、似たような議論があった。

ラマ九世は大変な名君で、タイの政治がクーデターで混乱しても、国王が仲裁すれば万事解決するような人望があった。

ところがそのご子息は若いころから大層評判が悪く、一方ボランティア活動にも熱心なお嬢様がいた。

大半のタイ国民が、女性国王誕生を希望していると言われていた。

しかしタイ国では、皇位継承者は男性と決まっている。

どれほどタイ国民が女性国王を願っても、それは叶わぬ夢なのだ。

そしてラマ九世の次は、当たり前にご子息が即位された。

しかしタイ国民の皇室への想いは、間違いなく大きく変化している。

タイ映画館では、上映前にタイ皇室の紹介映画が流される。

五分ほどの短編だが、先代のころは観客全員が立ち上がって皇室への敬意を示していた。

しかし今や、そんな敬愛の態度で皇室紹介映画を見る国民はほとんどいない。

タイ皇室も、国民の離反と言う大きな危機に晒されている。

 

しかしそんなタイでは、皇室への批判が大っぴらに語られることは決してない。

先のお嬢様待望論は、日本のタイ駐在員から「実はタイ人の本心は….」と聞いたもので、タイ人自身がさほど親しくもない我々に本音を語ることなどありえない。

実際にその手の質問を受けた場合、タイ人は複雑な笑みを浮かべて沈黙する。

それは、タイには皇室への不敬罪が存在するからだ。

外国人にも適用されるようで、タクシー内でタイ皇室への悪口は控えるように指導された。

もちろんタイも民主主義国家で、言論の自由は保障されている。

しかしその言論の自由の例外が、タイ皇室への批判なのだ。

 

今のネット社会の無法ぶりを見ると、日本でも皇室への不敬罪が必要なのではないだろうかと思う。

皇室からの反論が出来ないことを良いことに庶民の言いたい放題を許すと、間違いなく皇室への尊崇の想いが棄損される。

それは日本国民と皇室の間で続いた、得も言われぬ二千年の歴史を破壊することになる。

タイと同様に、日本の皇統への根拠もない言いがかりは、言論の自由の範疇ではない。

 

実は僕自身は、A宮家にたいしては批判的だ。

個人的には、ご本家のお嬢様が次期天皇であって欲しい。

それは仄聞するA宮家の問題点や、次期後継の弟君、そして次々者期後継のお坊ちゃまの資質への不安だけではない。

民主主義体制下では、万世一系を維持できないと思っているからだ。

先進諸国では、少子化が急速に進んでいる。

日本の皇室も例外ではなく、A宮家のお子様三人は珍しい方で、ご本家もお嬢様一人だし、最近では子沢山の宮家など聞いたことがない。

そしてA宮家のご子息が天皇に即位しても、その子供に男子が生まれる保証はない。

 

今回の皇室典範改正の中で、旧宮家から養子を迎える案も浮上しているようだが、それとてその後に男子誕生が約束されるわけではない。

また戦後今まで一般国民として生きてきた旧宮家が、やっと生まれた自分の子供を養子に出すことを了承するものだろうか。

また日本国民は突然現れた皇位継承者を、もろ手を挙げて歓迎するのだろうか。

昔の側室制度を復活させ、男子が生まれるまでとっかえひっかえしない限り、万世一系を継続することは困難極まる。

しかしその側室制度は、民主主義日本で認められるはずがないし、民主主義を謳歌する国民の中に側室を志願する女性がいるとも考え難い。

 

結論として日本が民主主義である限り、女性天皇を認めることでしか皇統は維持できない。

皇統は万世一系

我々は当たり前にそう考えてきたが、皇室への想いを変えるべき時期に来たと思う。

民主主義と皇統は、全く相性が悪い。