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よくわかる(かも知れない)女系天皇論の問題点

退屈講座、記念の第十弾は

  講座  女系天皇はなぜ問題なのか?

  副題  男系天皇天皇家のローカルルールで、最優先されるもの

 

河野太郎の頓珍漢発言で、日本の天皇について考えてみた人が多いはずだ。

河野太郎の発言要旨は

 ・現在の皇位継承権は尊重するものの、

 ・三人しかいない状況では皇室の安定が覚束無い

 ・女系天皇も検討するべきでは

と言うものだ。

 

当然ながら、賛否両論が巻き起こる。

河野発言への賛同者の大半は、男女同権の世の中で、男性しか皇位継承権が認められないのはおかしいとの思いと見られる。

また、秋篠宮悠仁親王よりも、今上天皇の一人娘、愛子内親王皇位を継ぐ方が、いかにも世襲と感じられるとの意見もある。

当初の愛子内親王は、ネット世界で失語症ではとか、激ヤセとかの冷やかしの対象だったが、今上天皇即位以降は、頭脳明晰で極めて素晴らしいお嬢様と、印象が一変した。

無責任極まりない風説だが、愛子内親王の方が悠仁親王より学業優秀とも聞こえる。

そんな愛子内親王への国民の勝手な思い込みも。女性・女系天皇を後押ししている。

 

一方の反対者は、

 ・皇統を全く理解してない

 ・女性天皇女系天皇の違いすら理解していない

 ・日本皇室を破壊する勢力に加担する暴論

と、河野太郎をこっぴどく批判した。

 

先ず、現在の皇位継承権は

 1.秋篠宮文仁親王

 2.悠仁親王

 3.常陸宮正仁親王

の三人だ。

女性で、今上天皇家の愛子内親王秋篠宮家の真子内親王佳子内親王はいても、天皇家男系天皇との考えから、皇位継承者が男性三人になっているのだ。

 

但し、仮にこの男性三人共に皇位継承ができなくなった場合に、過去には女性内親王天皇に即位することはできた。

それが、過去に8人存在する女性天皇だ。

しかし、現在の皇室典範では継承者が「男系男子」に限定されているので、法律上、愛子内親王天皇に即位することはできない。

法律を改正すれば女性天皇が可能にはなるが、それでも愛子内親王が結婚して男子の子供ができたとしても、その子は天皇に即位することはできない。

これは、女系天皇になるからだ。

天皇に即位できるのは、神武天皇を血を引く男性皇位継承者に限定されているのだ。

 

愛子内親王も、間違いなく神武天皇以降の血統を父親から継いでいるが、その夫になる人は「どこの馬の骨ともわからない」存在と見做される。

その子供は、確かには母方から神武天皇の血を継いでいるが、父方は神武天皇、即ち現在の皇室をは全く無関係な「どこの馬の骨」なので、そのような父を持つ人物を天皇陛下としては認めないと考えている。

 

だから今の天皇家の皇統は、神武天皇の血を引く男性だけが天皇の有資格者との、天皇家独自の決め事だ。

しかもこのルールを、二千年以上も墨守しているのが、日本の天皇家だ。

一般的な男女同権論から見れば、愛子内親王のように父親が今上天皇なのだから、神武天皇のDNAを引き継いでいると主張することはできる。

しかし女性が引き継いでも、天皇家のルールで、皇位継承者としては認められない。

一番大事なのは、日本国民の大半がそんな天皇家を、尊敬、尊重してきたことだ。

 

不思議なことに、「馬の骨」論は男性だけを想定している。

皇后は、「どこの馬の骨」でも許されているのだ。

要は、天皇家は男社会の中で、男系血統を守り、永らえてきた家系だ。

この点をXX染色体とXY染色体で説明することがあるが、大昔の人たちがそんな科学を知っていたはずはない。

恐らくは、二千年の間に、「どこの馬の骨とも分からない人物やその子孫」に、天皇家を乗っ取られないための知恵だったのだろう。

だから、日本で女系天皇を認めた途端、それは今まで続いてきた天皇家とは全く違う存在で、父親に神武天皇の以来のDNAが皆無の天皇を認めることになる。

 

天皇家が国民から親しまれ、海外の皇族から羨望されるのは。その歴史の長さにある。

二年千以上に亘って万世一系の歴史を持つ皇族など、世界にも存在しない。

伝統は、歴史を積み重ねた結果であり、いくら煌びやかに飾っても、一朝一夕でできるものではない。

女系天皇を認めて、今までの天皇家の歴史を途切れさせれば、今の皇室と日本人、皇室と世界の関係を作り上げるまでには、更に二千年の年月が必要になる。

新たな女系天皇の家系が仮に百年続き、それなりに国民と信頼関係が築けたとしても、それ以前に二千年以上も続いた天皇家があるのだから、比較され軽んじられてしまう。

 

女系天皇は机上の空論でしかなく、天皇を知れば知るほど、女系天皇は認められない。

河野太郎は、男女平等の時流に阿り、新たな皇室として女系天皇を主張したが、しかしそれは、今までの天皇天皇家を、根本から変えてしまう暴論だ。

結果として、天皇家と日本人の心の結びつきを破壊してしまう。

将に、「天皇制」なる造語で、天皇の存続を機能的にとらえ、イチャモンをつけて廃止しようとしてきた、日本共産党の主張とも符合する。

 

単純な現在の価値観の男女同権で、天皇と日本人の間にくさびを打ってはいけない。

確かに天皇家では、男性の出生率は少ない。

「だから女系天皇を認めよ」とは、如何にも短絡的発想でしかない。

幸いにして日本人は、無条件で天皇に親しみを覚える。

今上天皇の直系男子が皇位を引き継ぐのが最も望ましいとは思っているが、それが適わなければ、他の宮家からの天皇に対しても、拒否感など持たない。

綿々と続いた天皇家の歴史を思えば、旧宮家の復活など、どうやって男系天皇を守るかを考えるべきなのだ。

 

外相、防衛大臣として成果を上げ、一躍首相候補のダークホースとまで期待されていた河野太郎だけに、国家の根幹の天皇への理解が浅薄だったことが悔やまれる。