昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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合羽からげて三度笠

今朝から、雨が降り続いている。
昨日に比べ、気温も7度近く低い。
3月下旬には、すっかり春になったと思ったが、最近ではまるで寒い日に逆戻りだ。

こんな日にウォーキングをしていると、雨の所為で傘が重くなる。
雨合羽があればと思うが、一々着込むのも面倒くさい。
結局は、折り畳み傘を持参して、少しでも小雨になると、すぐに畳み込む事にしている。

ところで、ウォーキングはお遊びだから、悪天候だからやめても、誰からも文句を言われない。
しかし仕事関連のゴルフでは、「雨だからやめ」とはいかない。
特にゴルフに拘る人ほど、「ゴルフは自然との闘いだ」などと大上段に構える傾向が強く、悪天候を理由に延期などは言いにくい雰囲気に溢れている。
かの吉田兼好が喝破したように、宮仕えは辛いものだ。

そこで自衛手段として、雨用ファッションに身を包む事になる。
そしてこの雨具の性能は、見事なほどに購入価格と正比例している。
安物は、外からの雨を防ぎきれないだけでなく、内部の汗を放出しないので、雨合羽を使用していてもびしょ濡れになる。
一方、高価なモノは、どういう仕組みかは知らないが、汗をかいてもべとつかないし、なによりも雨を完全にシャットアウトしてくれる。
誠に正直なモノで、不動産や宝石同様に掘り出し物はなく、性能の良い代物にはやはりそれなりの投資が必要だ。

顧客や、同僚、後輩への見栄もあり、雨合羽にはカネを掛けた。
中でもプロギア製の雨合羽は、かなり高価だったが、雨を防ぐ機能だけでなく、着心地も満点の優れモノ。
それを上下別々に、色合いをコーディネートして買い込み、以来、ゴルフの時の雨が気にならないほどだった。

ところが仕事をリタイアすると、お付き合いゴルフがなくなる。
即ち、何も好き好んで、悪天候の日に、ゴルフをする必要がない。
すると、あれほど拘っていた雨具を使う場面がなくなる。
まるで無用の長物と化した雨具は、それでもキャディバッグの中で、何時の日かの出番を待っている。

さりとていくらゴルフが好きでも、雨具を使うためだけに雨模様の日にゴルフをする気にはならない。
その昔は自慢の品だったのに、二度と出番がないかもしれないプロギア製の雨合羽が哀れだ。

鯉名の銀平の「合羽からげて三度笠」の雄姿は、もう見る事ができない。