昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

関電幹部はバカで愚かだけど

関電幹部が、町役場の元助役から賄賂を貰っていた件で、大批判を浴びている。

 

金品授与も大問題だが、その釈明会見のお粗末さが更に輪をかけて非難されている。

確かに、社長と会長が揃い踏みで釈明したのに、却って火に油を注ぐ結果となった。

 

一般的な国民感覚では、

 ・関電幹部が、立場を利用して私腹を肥やした

 ・しかもその金額は、半端なものではない

 ・賄賂を贈った業者と関電の間には、癒着があったに違いない

 ・一部の幹部と業者だけが、うまい汁を吸ったのは許せない

 ・実際に元助役が顧問の会社は、関電からの受注が急増している

 ・半官半民の関電が。我々の税金を不正使用した

 ・怪しからん、許せない

みたいなものだろう。

大衆は、特権階級だけが優遇された場面に遭遇すると、無条件で嫌悪感を持つ。

 

一方の関電側の会長と社長は、

 ・確かにカネを貰ったのはマズいが、自分たちの取り分は実に少ない

 ・本当に悪いのは、原発関連部署の連中

 ・ここは正直さを装えば、少なくとも自分たちの危機を乗り越えられる

とでも思っていたのだろう。

あれだけの不始末を報告しているのに、「原因究明と再発防止対策が自分たちの役目」と留任を示唆しているのだから、その危機意識の希薄さには恐れ入るしかない。

 

誰もが不思議に思うのは、唯々諾々とカネを貰い続けた、関電役員連中の倫理観だ。

関電ともあろう会社が、社内コンプライアンス教育を徹底しなかったはずはない。

今回問題になっている役員連中も、取引先やその関係者から金品を貰う行為のおぞましさや、バレた後の恐ろしさは十二分に理解していたはずだ。

 

この事件が公になって、贈賄側の元助役の立場や言動も明らかになってきている。

返金を申し出た関電役員に対して、元助役は烈火のごとく怒り、役員の家族に危害を加える可能性まで示唆したと言う。

その役員は、恐ろしさにやむを得ず、そのまま受領し続けたと言い訳しているらしい。

元助役が地元の部落解放同盟の幹部で、気に入らないことには「トラックを突っ込ませる」と恫喝していたらしいから、役員の「報復が怖かった」との供述も、あながちウソとは言い切れない。

 

僕も長らく会社員をしてきたが、幸か不幸か、関電役員のような立場には無縁だった。

実は顧客の接待も、広義で見れば賄賂の一種だが、常識の範囲内なら寧ろ仕事を円滑に進める手段として、自らも積極的に活用してきた。

その時に、お車代として数千円の商品券を渡したことはある。

しかしその金額が万を超えると、貰う側が迷惑することが分かっていた。

だから、そんなことは絶対にしなかったし、同僚にもさせなかった。

接待する側もされる側も、世間的な常識があり、それを超えるとむしろ逆効果で、その後のお付き合いに支障をきたすと分かっていたからだ。

 

今回の関電役員で一番罪が重いのは、最初に多額の金品を受け取ったヤツだ。

どの部署の誰兵衛かは知らないが、そいつが賄賂を貰った時点で、関電の会社としての倫理観は崩れ去ったと言える。

次に狙われたオトコは、元助役から「〇〇さんも貰っていますよ」と悪魔の囁きを受けると、自分も貰って当然と思ってしまう。

そこで毅然として拒否すると、「アンタは先輩の顔に泥を塗るのか」と脅される。 

それでも中には、良心の呵責から真剣に返金しようとした役員がいるのは事実だろう。

しかしその人には、元助役からの直接的な脅しだけでなく、関電社内事情をネタに「拒否すると居場所がなくなるよ」と揺さぶられれば、返金を躊躇してしまう。

会社員の、悲しい性が垣間見えるのが切ない。

勿論、高額な金品を受け取った関電役員が悪いのは間違いない。

どんな言い訳をしても、誰も聞いてはくれないだろう。

しかし、実は毒饅頭とは知らず、仕事を円滑に進めるための元助役の好意と思って、目の前の餌に食いついた関電役員に対して、僕は一抹の同情の念を禁じ得ない。

 

それにしても、関電原発事業が、同和関連企業に牛耳られていた事実には驚愕する。

たかが一助役に過ぎないオトコが、原発稼働のキーパースンで、関電は常に顔色を窺っていたとは情けないが、他の電力会社も似たような問題を抱えているのかもしれない。

関電の役員人事などは些末なことで、国家の生命線である電力供給が、こんな危ういバランスの上に成り立っているのなら、全国規模での抜本的な見直しが必要だ。