昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

平凡な人生の言い訳

引越し前のヤフーブログ時代を含めると、15年近く、くだらない記事を書いてきたので、このブログのデータでは、その数2800を超えるらしいが、全く実感はない。

 

僕は若干粋がって、「同じ話は書かない」ことを原則としてきた。

しかしよくよく考えれば、昔書いた記事を、今頃になって読み直してくれるような奇特な人はいない。

この状態を放置するのは、その当時に知恵を絞って書いた、努力賞モノと自画自賛する記事が店晒しになっているのに、叩きで埃すら落とさない鈍ら店主と同じだ。

であれば、愛着のある記事を加筆訂正して再紹介するのも一興ではと思い至った。

 

尚、今ではコンプライアンス上、セクハラ記事の恐れがあるが、「作者の意思を尊重して、可能な限りオリジナルのまま掲載する」ことをご了承願います。

 

以下は、2117年9月、斉藤由貴山尾志桜里の不倫が問題になったころの記事

世間様は、斉藤由貴山尾志桜里の不倫騒ぎで盛り上がっている。

しかし、この二人の対応は対照的だ。

破廉恥写真が公開されて万事休す、五年間の不倫をカミングアウトした斉藤由貴と、動かぬ証拠を突き付けられても「男女の仲ではない」と強弁し雲隠れした山尾志桜里

もしも自分が同じ場面に追い込まれたら、果たしてどちらと同じ対応をとるだろうか?

 

今は既に故人となったが、その道の達人だった僕の先輩の話。

彼がもしも生きていたなら、断固として山尾志桜里を支持したに違いない。

この先輩がある時、海外出張を命じられた。

当時の海外出張は、職場の社員が揃って羽田空港まで見送りに行くほど、希少で大事件だった。

しかも、1$=360円の時代なので、何をやるにしてもコストは弾む。

しかし、テレビや映画でしか見ることのない、高嶺の花の外国人女性×××……。

根っからの好きモノだった先輩は、ここを先途と勇み立っていた。

 

そんな先輩に対して奥方が、「貴方に浮気をするなと言っても無理でしょうが、海外のコンドームだとサイズが合わないと思うので、その時にはこれを使って」と、そっと手渡したのが1ダースのコンドーム。(だったらしい)

先輩はこれで奥さん公認と奮い立ち、当然の様に全部使いきって帰国した。(らしい)

 

ところが羽田空港から自宅に帰る途中、将に突然、天啓が閃いた。(らしい)

先輩は薬局で、奥方が用意したものと同じブランドのモノを購入し、帰宅後「せっかく君が用意してくれたけど、全く使わなかった」と手渡した。(らしい)

てっきり亭主は海外で浮気三昧と思い込んでいた奥方は、これを見て涙ぐんで喜んだと、先輩は自慢していた。

この先輩の教えは、「妻に対しては、絶対に浮気を認めてはいけない」だった。

 

彼曰く

・女房はどんなに亭主を疑っても、どこかで信じたいとの思いを持っている。

・そんな女房に対して、「実は浮気しました」と自白するのは、却って罪作りだ。

・例え浮気の現場に乗り込まれても、絶対にやる気はなかったと言い切ること。

・不幸にして、現場で裸になっていても、「暑かったから」と言い張ること。

・更に不幸にして、行為の最中に踏み込まれても「出す気はなかった」と頑張ること。

・事が終わって寛いでいる最悪の場面でも、「相手は自分ではない」と強弁すること。

 

最初はどんなに必死に言い訳しても絶対に信じてもらえないが、妻の気持ちは、暫く時間が経過すると「あんなに力説したのだから、ひょっとしたら」と半信半疑になり、最後は「きっとそうに違いない」と九信一疑くらいに変わっていくもの。(らしい)

 

僕は幸いにも品行方正な人生だったので、妻に対しては後ろめたい部分はない。

「女房が妬くほど亭主、モテもせず」との川柳通りで、まるで女性にモテない人生だったが、その分、言い訳も嘘もまるで不必要だった。

だから結婚後に「運命の人に出会った」と、全てを投げ打って修羅の不倫道へ進む連中に対しては、ほんの若干の羨ましさと共に、むしろ「大変だネェ」と同情してしまう。

少なくとも「結婚しているのに」との理由で、覚悟の不倫を非難しようとは思わない。

 

ただこの歳になると分かるが、「運命の人」なんかいない。

夫婦で長い時間を掛けて、お互いが「運命の人」になっていくものだし、最近はそれこそが理想だと思うようになってきた。

僕の両親は生前は決して仲の良い夫婦ではなかったが、それでも母が死ぬと分かった時の父親は、人目もはばからず、涙が枯れるほど泣いた。

誰が何と言おうと、父親にとっての妻、即ち僕の母は「運命の人」だった。

 

不倫をしてまで、「運命の人」を探すようなリスクの多い人生を選ばなくても、平凡に一生を終えるのもまた乙なものだと思う。