昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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外国語のお勉強

外国語を身に着けると、一気に世界が広がる。

一説には、英語さえ出来れば、ネット経由の情報量は四倍増えると言われる。

 

僕はそのことに気が付くまで、55年もかかった。

その為、押っ取り刀で駆けつけるように英会話を勉強しても、上達は思うに任せない。

今となっては反省至極だが、それでも少しでも英語でコミュニケーションが取れるよう、自分なりに努力を続けている。

 

僕が高校生の頃、旺文社発行の「赤尾の豆単」は、受験生必須のベストセラーだった。

そして隣のクラスの某君は、この「赤尾の豆単」の単語を全部覚えていた。

ところがその某君は、英語の点数が全くパッとしない。

僕は、それが絶対に信じられなかった。

僕の英語の点数が悪いのは、単語を知らないからで、単語さえ分かれば英語なんてチョロいものと確信していたからだ。

 

ところが、学生時代の第二外国語だったドイツ語をやってみて、この「単語を知っていても、英語ができない」某君の悩みが、始めて理解できた。

初歩的知識すら身につかず、文章の全ての単語をドイツ語辞書で調べても、日本語の文章に組み立てることができない。

文法が分かっていないと、単語の意味の無数の組み合わせが発生するので、全くチンプンカンプンの日本語になる。

何とか単位はとったものの、卒業後もしばらくは、「ドイツ語を勉強しなければ」と、悪夢を見るほど悩まされた。

 

ところがそんな僕だが、共産主義者のバイブルとも言われる、Kirl Marx(カール・マルクス)の「DAS KAPITAL資本論)」は原語で読んだ。

僕の、ドイツ語に関する唯一の自慢だ。

 

そう言うと、大半の人が驚く。

日本語の資本論すら、読んだ人は少ない。

ましてや、ドイツ語が全くダメだった僕が、「DAS KAPITAL」を原語で読んだなど信じられないから、単に驚くだけでなく、その瞬間から尊敬の眼差しが加わる。

この話を聞いた人に、羨望と敬意の表情が浮かぶのを見るのは、実に楽しい。

 

実は、この話はウソ偽りのない事実だ!

 

但し、ネタ晴らしをすると、僕が読んだのは、本のタイトル「DAS KAPITAL」だけで、その内容は、日本語でも訳が分からないので、最後まで読んではいない。

と、そこでやっと「そうだろうな、そんなはずないと思ったよ」と、全員が納得する。

 

当たり前だ。

知っているドイツ語と言えば、「ダンケ」「モルゲン」ぐらいで、後はドイツの地名と人名程度なのに、専門書など読めるはずがないし、読む気もない。

要は、いかにドイツ語ができなかったかを伝えている小話なのだが、その割には多くの人がびっくりする。

 

ただ、外国語ができると楽しい。

昨年全英女子オープンに優勝した渋野日向子は、優勝スピーチを英語でやった。

恐らくは、カタカナ書きのメモを読みながら「Would you please」と感謝の念を述べたと思われるが、外国人の彼女への印象はグッと上がったはずだ。

上手い、下手ではない。

コミュニケーションを取ろうとする姿勢が、見知らぬ外国人を安心させるのだ。

ドイツ語はサッパリだった僕だが、せめて英語では紅毛碧眼の異星人を相手に、我が想いを伝えたいと思っている、