昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

滋賀県知事選挙のサプライズ結果に思う事

滋賀県知事に環境社会学者の嘉田由紀子さんが当選した。
何せ、自民、公明、民主三党相乗りの現職候補を、このところ選挙のたびに連戦連敗の社民党がバックアップした挑戦者が勝ってしまったのだから吃驚仰天である。

新知事はアフリカの村に半年住んだり、琵琶湖の水と人との共生を調査したりと、学者としての業績はなかなかのもので、今回の知事選では、新幹線の駅誘致に反対し、「もったいない」のキャッチフレーズで選挙民の心をつかんだのが勝因らしい。
清廉な学者が、いかにも利益誘導そのものの公共投資に反対したような分かりやすさも、選挙結果が大番狂わせとなった原因なのだろう。

しかし敢えて言うが、滋賀県民の今回の選択は自県の後世にマイナスとなる。
確かに胡散臭い公共投資に反対する気持ちは分からなくもないが、新幹線が止まる駅は、間違いなく大きな経済効果を生み出すもので、単なる箱物行政とは本質的な違いがあるにもかかわらず、単純化された正義心でつぶしてしまった事で、中長期的利益を喪失させたからだ。
今回の結果は衆愚政治の典型だと思う。

田中角栄が主導した上越新幹線は、新潟県を除けばあらゆる層から大反対された。
この時も、たかが新潟県の為に新幹線のような大工事はもったいないと言われていた。ところが新幹線開通後の新潟県の発展は目覚しい。
従来線に比べ、時間は早いし乗り心地が良いしで利用客が激増した。
今や新潟と関東を結ぶ重要交通手段となり、新潟県躍進の原動力となっている。

学者が知事になったケースは結構あり、有名なのは元東京都の美濃部知事だったが、この人も結局地方財政を破綻させた悪知事の評価が定着している通り、成功例がほとんどない。
学問の理屈通りに世の中が動けばこんなに楽な事はないだろうが、実際はそんな単純な問題などありえない。
今回の新幹線駅に関して新知事は、学問的に見て価値が無く、投資金額にあわないと評価したのかもしれないが、過去の歴史を振り返れば、まさにもったいない決断だと思ってしまう。
あの悪名高かった岐阜羽島駅でも、新幹線が止まるものだから近所に工場が次々と立ち並び始めている。

もったいないのなら、徹底的に合理化した工事を目指せばよい。
集りのような公共工事は徹底的に締め出せばよい。
ケチケチ精神で新幹線の駅を作っておけば、将来の滋賀県に大いなる貢献をしたはずだ。