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渥美清の「男はつらいよ」を見て

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BSのNHK衛星テレビで毎週土曜日の夜に「男はつらいよ」が放映される。
全48話一挙放送(実際は二回に分けてだが)で、もうそろそろ40話を超えたのではないだろうか。

僕は、「男はつらいよ」の第一作を昭和43年(1968年)田舎の場末の映画館で偶然に見た。
そして、あまりの面白さに、文字通り腹を抱えて大笑いした。
寅さん役の渥美清は若かったし、さくら役の倍賞千恵子も綺麗だったが、何よりおいちゃん役の森川信と、おばちゃん役の三崎千恵子が何とも言えない良い味を出していた。(僕は歴代のおいちゃん役の中では、森川信が一番好きだ)
僕はすっかり「男はつらいよ」の大ファンとなり、それからのシリーズが放映されるたびに楽しみに見続けた。
台本まで買い込み、ほとんどのシーンを覚えてしまうほどだった。
しかし、15本近くなってくるとすっかりマンネリで感動がなくなり、また会社の仕事も忙しくなったせいもあり、それ以降はすっかりご無沙汰状態となっていた。

それが、30年近い年月を経て最近のテレビ放送を見てみると、実はマンネリと思っていたものも、監督や脚本家によってしっかり計算された長編ドラマだった事に気がついた。
僕も、ここまで生きてきた中で楽しかった事も辛かった事も経験を積んだことで、たかが映画ではあるが、主人公の寅さんに対して共感したり憧れたりする場面が増えてきた。

昨日の「ぼくの伯父さん」では、浪人生がいる家庭の葛藤が描かれていたが、まさしく我が家の数年前の状態で、当時の苦労を思い出してしまった。

既に主役の渥美清が物故した為、「男はつらいよ」は未完の大作のまま終了してしまった。
しかし、撮り終えた48作を見直してみると、単なる喜劇から人生を語るシリーズ映画へと進化した事を思い知らされ、改めてこの映画と同じ時期を生きてきた事に感動している。