昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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三好カントリークラブの思い出

コカコーラ東海クラシックが開催された三好カントリークラブは中京地区の名門コースだ。
もう三十年ほど前に一度だけここでプレイした事があるが、その時の忘れられない思い出がある。

当時は名古屋に勤務していた。
名古屋はゴルフ場が多く、しかも家から非常に近い。
ゴルフをうまくなるには絶好の地方だ。
しかし、そうは言っても和合だの藤岡だのの名門コースは、おいそれとプレイできるわけではない。
この辺になると、絶対にメンバーの同伴が必要だった。

当時の社内コンペで、分不相応にも「名門三好カントリークラブでやりたい」との希望が多かった。
そこで先輩の幹事役が、紹介者になってくれる三好のメンバーを探し出しお願いした所、快諾して貰った。
作戦は以下の通り。
  まずメンバーが、自分が同伴する事を前提に4組のスタートをとる。
  しかし、当日になって急用が出来た事にして、代役を立てる。

当日、名門三好でプレイ出来ると大喜びの社員16名が受付を済まし、各々に練習場で汗を流している頃に事件が起きた。
マイクで幹事役の先輩が呼び出されたのだ。
一緒に受付に駆け付けると、「メンバーの○○さんはどこにいらっしゃいます?」と質問された。
ここは予て打合せ通りに「イヤァ、○○さんは急用が出来たので、代わりに××が参加しています」と答え、後はスンナリのいくはずだったが…….
ここで、次に受付のお兄ちゃんが発した台詞にしびれた。
「あぁそうですか。それでは皆さんのプレイをお断りします。」

幹事役の先輩は真っ青になった。
何せ、幹事以外は全員が大喜びで練習中なのだ。
「何とかなりませんか?」と懇願しても、「四組もメンバー同伴なしでプレイ頂く訳には参りません」と、言葉は丁寧だがつれない返事があるだけ。
途方に暮れつつも、「ではどうすればプレイ出来ますか?」と幹事は粘った。
受付曰く「ではそのメンバーの方がここまでおいで頂き、この場でコンペで起きた全ての事に責任をとると保証してください。そうすればプレイして頂きます。」

幹事は、その場からメンバー氏に電話した。
この時ほど、名古屋で勤め先とコースが近いことを感謝した事はない。
メンバー氏はすぐにタクシーで駆けつけ受付に掛け合ってくれたので、何とか無事に社内コンペを終える事が出来た。
しかし、ゴルフ場に決して悪い感じを持ったわけではない。
むしろ名門ゴルフ場のプライドを痛感し、清々しく思ったほどだ。

あれからかなりの時間が経過したが、何年たっても三好カントリーでのトーナメントを見るたびにあの時を思い出す。