昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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トヨタ赤字転落の大ショック

まさしく「エライコッチャ!」だ。
あの不沈艦(と世界中で信じられてきた)トヨタが今年度の営業赤字を発表した。
ほんの一か月前までは6千億円黒字でも「少ない」と大騒ぎしていたのに、今回は初の1500億円巨額赤字へ転落とは。
世界最強と自他共に認めていたトヨタの驚くばかりの落込みに、今回の世界不況の根の深さがある。

GMやビッグ3の衰退には驚かない。
彼等はまるで魅力的な車を作ってこなかった。
しかし、トヨタはベストセラーカーを連発、環境問題への取り組みも早く、燃費に優れたプリウスは世界中を席巻すると予想されていただけに、今回のトヨタショックが世界に及ぼすであろう更なる悪影響が懸念される。
悪い事に自動車業界のすそ野は広い。
あらゆる産業が直接間接に、日本自動車産業好景気の恩恵に浴してきた。
しかし今はトヨタ本体の未曽有の減産計画を前に、自分達の在庫調整も覚束ないまま、ただただ茫然自失の状態になっている。
トヨタは来年度の黒字化すら危ぶまれている。
と言う事は、どこまで辛抱すればいいのかが分からない事だ。
まさに袋小路の中で、我々は巣ごもりのように節約するしかないが、それは更に景気回復を遅らす事になってしまう。
窮余の一策は、政治による強制的な株価上昇政策しかない。
自民党民主党も、はたまた共産党でさえも面子や意地を捨て、超党派で株価を上げる方策を考えて欲しい。
例え株価が上昇しても、ほとんど恩恵を浴しない我が家ですらそう思うほど現状は危機だ。

ところで、物はついでの様にトヨタ社長交代がきまったらしい。
渡辺捷昭社長が二期四年を迎える今年6月に、トヨタ名誉会長豊田章一郎の長男、豊田章男副社長へバトンタッチをするとの事。
この辺が偉大なる田舎企業トヨタの面白いところだ。
世界一目前だった日本のエクセレントカンパニーの代表企業「世界のトヨタ」が、創業者からの血のつながりを大事にする。
政治での世襲には事のほか厳しいマスコミも、「高まる創業家への期待」とやらで、何となく好意的な論調が目立つ。
広告宣伝費が巨額の企業だから叩かれないとすれば、マスコミの正義の御旗も色褪せる。

僕は、トヨタのソコソコの地位の人から社長交代について興味ある話を聞いた事がある。
彼は、
渡辺捷昭は凡庸な社長です。その彼がトヨタの歴史に名を残すとすれば、ただ一つ、後継者に豊田章男を指名しない事です。豊田章男は渡辺以上に凡庸な人物だからです。」
と言った。

彼の意見が正しいのか、あるいは単なる僻みなのかは知らない。
それは、今からのトヨタの実績が証明するだろう。
しかし、「章一郎」の長男が「章男」とは、グローバル時代には程遠いネーミングだと思うが。