誰もが驚くようなフックボールで飛ばしていたワ・タ・シ!
ドローのような、生易しい曲がりではない。
いったん隣のホールへ出て行き、急激に戻って来る。
よって、ナイスショットなのに何度もキャディから「ファー」の声がかかる。
そのフックボールが、今年に入ってすっかり影を潜めている。
ここのところ数回、まっすぐのボールが三割、やや左が四割、そしてなんと右へ行くボールが三割。
この右へ行くのがくせ者!
何せ二十年以上もフックボールを打ち続けてきた。
ボールが右へ行くと収拾がつかなくなってしまう。
体がフックボールを覚えてしまっているので、どうしても狙いを右目にセットする癖が付いている。
体が覚えているのだ。
しかしそれがスライスすると、すぐにOBゾーンへ飛び込む。
今日は晴天に誘われ、ホームコースへフラリと出掛けた。
馴染みのメンバーとパーティーを組み、イザやイザ出陣と相成った。
朝一番のティーショットから、やはり真っ直ぐに飛んでしまう。
二ホール、三ホールと、真っ直ぐに飛び続ける。
それに従い、連続してパーが取れる。
「これは結構イケルぞ」と思い始めた五ホール目、パー5のドライバーで快心の当たりが真っ直ぐ右へ飛んで行った。
ネットをはるかに飛び越えるOB。
ここからすっかりおかしくなり、午前中が終わってみればいつものスコアになってしまった。
午後はドライバー使用を減らし、保守的にスコアメイクにこれ勤め、何とか今年のベストスコアでホールアウト。
不調のドン底からは脱出したが、しかしドライバーの悩みは尽きない。
本来なら真っ直ぐのボールは喜ばしいはずだが、フックボールは長年付き合ってきた嫁さんみたいなもの。
確かに取り扱い要注意だが、それでもズット馴染んできたので安心感が違う。
今更、真っ直ぐボールの別嬪さんが登場したとしても、浮気するわけにはいかない。
何とかして、昔のあの品のないフックボールを打ちたい。
と、「練習にでも行こう~ッ」と!