17歳で夢のマスターズに挑戦した石川遼だったが、さすがに世界四大メジャーの壁に跳ね返された。
それでもたくさんの目を見張るようなショットでバーディーを取り、本人が得た収穫は計り知れないほどの大きさだろう。
あのジャックニクラスだって最初の挑戦では予選落ちだったらしいから、石川遼よ、胸を張って前を向け!
なんて、通り一遍の年寄りの繰り言なんか必要ないだろう。
プレイ終了後のインタビューで石川遼は、「悔しいが、また帰ってきたい」と答えていた。
石川遼を見ていると、つくづく天才だと思う。
無論ゴルフでは、不世出のプレイヤーとなりうる才能に満ちているのだろう。
何せ、わずか16歳で奇跡的なバンカーショットをやらかし初優勝。
17歳のプロ選手としては、最終日18番での水切りショットで二度目の優勝。
その他に関西オープンでも勝っている。
日本ゴルフ史上最高の選手と言われるジャンボ尾崎だって、もともとはプロ野球選手だったので初勝利は24歳だった事を考えれば、石川遼は日本ゴルフ界のすべての記録を書き換えるだけのポテンシャルを持っている。
(但し、いつもでも日本の土俵で戦ってくれればの話だが。)
しかし僕は、もう一つの才能の方にも注目しているし、こちらもまたまごう事無き天才だと確信している。
それはインタビューへの受け答えだ。
どうすれば、あれほど見事に爽やかに振舞えるのだろう。
誰かが直前に教え込んでいるはずはない。
彼自身の個性で、当意即妙に答えているはずだ。
その全てが17歳の若者のそれではない。
自分自身の17歳のころを思い出すだけで、あまりの違いに思わず赤面してしまう。
きっと、両親の教育が素晴らしかったのだろうし、本人の内面が魅力に溢れているのだろう。
父親には何かと批判陰口が多いが、石川遼を見ていると、あんないい子を育てた親父が変な性格とは絶対に思えない。
石川遼のマスターズ挑戦二日間は、早朝から日本中のゴルフファンの熱い視線を集めた。
成績では片山晋呉や今田竜二には敵わなかったが、注目度では断然ナンバーワンだった。
来年こそ、マスターズでの石川遼の捲土重来を期待したい。
そしてその時に、石川遼がどのようにインタビューに対応するのかを見てみたいものだ。