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選挙で世の中は変わるのだろうか?

衆議院選挙が近い。
敵失に恵まれたとはいえ支持率も持ち直し、過去最大の大型補正予算も成立したので、麻生首相ならずとも、自民党としては「ここは一番勝負!」の気持ちに駆られるだろう。
一方の民主党小沢一郎が辞任、鳩山新代表誕生と選挙モードへ突入した。
そうでなくとも、麻生政権は9月には任期満了となる。
否応なく選挙が行われる。
今回は、ごく最近までは政権交代必至と見られていたが、民主党小沢党首のアキレス腱「政治と金」が問題となって以来、どうも民主党の旗色も褪せてきた。
そこで、「自民党民主党が結構いい勝負になるのでは」とか、「いや既に自民党が優勢」とか、「小沢代表辞任で民主党が盛り返すとか」眞に適当な競馬のような予想が語られる。

ところで、選挙に度に必ず「必ず投票に!あなたの一票が日本を変える!」みたいな誇大広告が打たれるが、これは本当だろうか?
民主主義社会では、過半数を超えると事が正義になってしまう。
そこで、何としてでも「自分達に投票を!」と、声をからして呼びかけ続ける。
しかし残念ながら今の選挙では、市井の民の一票で、世の中が変わる事はない。
「選挙選挙」で大騒ぎしても、投票率が70%を超える事などほとんどない。
要は、少なくとも三人に一人は棄権しているのだ。
三分の一が棄権しているのに、残りの過半数を取ったからと言って、民意を反映したとは言えないだろう。

しかも肝心の投票判断基準は、一般的にはむしろ世相やムードに流される人気投票感覚であったり、あるいは「自分だけがよければ」との全くの我が儘から自分に利益をもたらす人になるケースが強い。
消費税がその典型で、今の税制の不公平感を解消する為には間接税比率を上げる事しかないはずだが、「消費税率アップ」と言った途端に主婦の反発を招き選挙には負けてしまう。
大所高所からの見識など票につながらないものだ。
日本を変えた政策は、吉田茂岸信介佐藤栄作、竹下昇等、政治家が自分のリスクで行なったものばかりで、民意を問うた選挙の結果ではない。
日米安保も消費税導入も、選挙で民意を問うたら絶対に成立はしなかった。
民意が最大限に発揮されたと言われるのは小泉純一郎郵政選挙だ。
これはムードで勝敗が決まった極端な例で、大半の国民が催眠術にでもかかったように、「民営化こそが世の中を変える」との勘違いをして自民党が大勝してしまった。
少なくとも郵政民営化は、10年後に「日本を変えた政策だった」と評価されるものではなく、しかも今やさまざまな矛盾が噴出している。

民意とは、かくも付和雷同なのだ。
選挙で世の中が変わると思うのは幻想だろう。