昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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中部銀次郎と乃木静子

中部銀次郎大先生の本に、「ミスショットの後に声を出すな」とあった。
それがなくなれば、ハンディキャップが三つや四つは改善できるとも指摘していた。
これは当たり前に正しい。
我々は、いいショットの時には、ジッとボールの行方を見つめる余裕があるが、ミスショットした途端に声を出す。
「ウワー」とか、「ア~ァ」とか、「アリャリャ」とか、とにかくうるさい。
「ウヮ~、ヘッドアップ」とか、瞬時に原因まで解説したりするが、大方が見当違い。
だから、声が出ないのは、結果良しの裏返し!
ナイスショットの証拠だから、スコアもハンディも良いのは間違いない。

しかし、ミスショットの後に声を出さないのは、簡単なようで実は大変難しい。
長年、「ゴルフとは言い訳のスポーツ」を実践してきた我が身としては、照れ隠しのDNAとして、必ず大声を出す習性が身についている。
原因と結果で言えば、ミスショットをするから声が出るのであり、声を出さなければスコアが良くなるわけではないが、中部大先生は、ゴルフの最中に一々嬌声を発するのははしたない行為だと言いたいのだろう。
この言、理屈としてはよく分かる。
が、ムッツリ黙りこくって、ただただひたすらスコアに拘るようなゴルフは、やっていても、見ていても、ちっとも面白くはない。

例えは適切ではないかもしれないが、乃木静子の「母の訓」を思い出してしまう。
この中の「閏の御慎の事」では、
「殿御はどなた様にても寵愛の増すに従ひて 種々なされ、枕辺に笑絵を開き之を眺め、またはさぐりなどし給ふことあり。
かようの時、心がけなき女性は、興に乗じあられもなき大口を開き、或は自ら心を萌して息あらく鳴らし、恥もなき挙動をなさるる御方様もありとか申事に候。
(中略)
また 如何に心地好く耐りかね候とも、たわいなき事を云ひ、又は自分より口を吸ひ或は取りはづしたる声など出し給ふべからず。」
とある。

乃木静子女史は、明治天皇に殉死した乃木希典と共に、自ら胸を突き夫に続いて死を選んだような御方だが、「閨の慎み」についても独自の思いがあり、それが日本女性の嗜みとして脈々と語り継がれてきた。
要は「感極まっても、決してみだらな喘ぎ声を出してはいけません」って説教されているわけだけど、これは時代遅れじゃないでしょうかねェ。
当方、オンナではないので、何がどう感じるのかは分かりませんが、ただただ黙っていられてもちっとも面白くはないと思いますがね。

中部銀次郎大先生、乃木静子女史。
いずれも歴史に名を残すような、高貴な御仁ではおありまする。
だから、当方のような武骨で下品なオッサンとは氏も育ちも違うのでしょうが、私ァ好き勝手に感情を表す方が好きですネェ。