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「方便」で何が悪いのだろうか?

鳩山由紀夫の「方便」発言が大変評判が悪い。
野党の自民党からは「開いた口が塞がらない暴言」、公明党からは「浅はかで言語道断」と非難され、社民党福島瑞穂委員長からは「あたしは方便で罷免された」と恨み事を言われる。
身内の菅直人首相からは嫌悪感を表され、北沢俊美防衛庁長官からも非難されている。
八方塞りとはこの事だろう。

しかし鳩山発言が「方便」だったとして、一体何が悪いのだろう。
そもそも、「方便」を辞書で引くと、
・仏が衆生(しゆじよう)を教化・救済するために用いるさまざまな方法。
・真実の教えに至る前段階として教化される側の、宗教的能力に応じて説かれた教え。
とあり、転じて
・ある目的を達するため便宜的に用いられる手段。てだて。
とある。
「嘘も方便」とは、嘘はいけないが、それを「方便」と称して誤魔化す意味合いだ。
「方便」自体があまり良い意味と思われていないが、本質的には決して悪い事ではない。

だから鳩山も、自分の発言が問題になった時に、「方便として米軍が沖縄に存在する事がいかに重要かを説明した」と毅然としていれば良かったのに、後に「真意が伝わっていない」と必死に言い訳をしている。
それによると琉球新報等のインタビューで、「在日米軍の抑止力は海兵隊だけでなく、地上部隊やヘリ部隊とのトータルで機能している。一部の普天間だけでは充分な抑止力とは言い切れない」と説明したらしい。

辺野古移設の重要性を訴えたかったようだが、記者から「それは方便として?」と言われたので、「そういう風に言われたら、そういう部分があったかもしれない」と答えたらしい。
まぁ、言葉の軽さでは、首相になる前から様々な舌下事件を引き起こしてきた御仁なので、「方便」と聞かれてアッサリ認める事のリスクなど考えていなかったのだろう。

マスコミは、例によって面白おかしく、言葉狩りを繰り返している。
「嘘も方便」が一般的なので、鳩山はあたかも嘘を承知で「米軍の抑止力」を持ち出したかのごとく印象付けられている。
これは、典型的なマスコミによる誘導尋問であり、為にする報道と思う。
しかし、鳩山は軽薄さが相俟って、民主党の支持率低下につながっている。

僕は、民主党に対しても菅直人に対しても批判的なのだが、今回の「方便」騒動はヒステリックな気がしてならない。