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「食べログ」やらせ事件

今の世相は、「他人様のお墨付きさえあれば安心する」症候群としか言いようがない。
食べログ」やらせ問題で騒いでいるが、そんな世相の中では、こんな事件が発生して当然だろうと思う。
日本人には、群れていれば安心の共通心理があるので、インターネットの普及と共に、人気者や人気店を作り出すのはそんなに難しい事ではない。
だって、行列があると、何があるのか分からなくても、取敢えずは自分も並ぶ人種なのだ。
今回のように、ランキングを操作してしまう業者が現れるのも、極々当然の帰結だ。
人気ランキングのサイトがある以上、そう思って利用するのが常識だろう。

今回は食べ物の人気店を意識的に作り上げる事が問題視されているが、芸能界の人気者だって、ほとんど同じ手法で生み出されている。
問題は、一旦人気者になってもそれが定着できるか否かであって、商売人が取敢えず注目を集める手段としては、切っ掛けは「何でも有り」だと思うのだが。
日本テレビ鳴り物入りで応援した「汐留らーめん」は、オープン当時は押すな押すなの大盛況で、たかがラーメンなのに、二時間も並ばなければ食べられなかった。
日本テレビは、店長の竹若幸之助を「ラーメン界の天才」と持ち上げていた。
ところが時間が経つに従って客足が遠のき、とうとう昨年には店をたたんでしまった。
今回のランキングを操作したと糾弾されているインチキ業者と、日本テレビの特番には質的な差はない。
結果として「汐留らーめん」は、ラーメン通をひきつけるホンモノのラーメン屋ではなかったわけで、日本テレビはインチキ情報を垂れ流したことになる。
そう言うと、「あの時は厳格な審査をして、大勢の中から選ばれた」との反論があるだろう。
今回のインチキ業者は、「根拠のない嘘でサイトの利用者に誤解を与えた」と批判されているが、では彼らが「自分が食べて一番美味しかったから、たくさんの人に紹介したかった」とでも言い訳したら、果たして罪になるのだろうか?
依頼した店の方も、「自分の店の味には絶対の自信があるから、多くの客に知ってもらう切っ掛けとして業者に依頼した」とでも説明したら、「それはやり方が汚い」と非難されるべきなのだろうか?
今をときめく大スター「AKB48」だって、インターネットやテレビを利用しての巧みな売り出し戦術が大当たりして人気が先行しただけで、このまま人気が定着するのか、はたまた仇花の使い捨てだったのかは、彼女たちの実力次第でしかない。

インターネットやマスコミ経由の情報なんて、玉石混交。
嘘もあれば本当も有る。
皆それが分かって利用しているのであって、最初から全面的に信じ込んでいるのがおかしい。
今回だって、食べログを参考に店を選んだのにちっとも美味くなかったのなら、そんな情報を信じた事を反省すれば良いだけの話だと思う。
別段、命まで危うくなったわけではない。
最終的には、あらゆる事を自分の責任で判断するべきであり、例えばもっと高価な買い物をする場合は、もっと慎重に、且つもっと多方面から情報を集めた上で選ぶだろう。

霊感商法業者を褒めちぎったり、ユーロ崩壊の失言をしたりで、参議院で不信任案を突きつけられた山岡賢次消費者担当相が、汚名返上、名誉挽回(彼の場合は「汚名挽回」かもしれないが)とばかりに「強い関心をもって注視している。調査して対応を検討したい」と張り切っているようだが、こんな問題を大騒ぎするより、「政治家なら他にもっとやる事があるだろう!」と思ってしまう。