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超高価なパター

ヒロマツモトなるパターをご存知ですか?

有限会社松本ゴルフが正式な社名で、代表者は松本宏幸さん。
会社の所在地は、兵庫県姫路市三条町
ホームページで見る限り、ちょっと気の利いた中小企業の風情だが、この会社、世界的に超有名な日本のパターメーカー。
1967年の会社設立当初は、単なる下請け先だったらしいが、そのパターの品質が段々評判になり、1990年に「ヒロマツモト」オリジナルブランドのパター造りに乗り出したところ、日本だけでなく世界中のプロが激賞。
ヒロマツモトは、あっという間に世界的にも有名なパターとなった。

ヒロマツモトパターを愛用したプロゴルファーは、青木功中島常幸、倉本昌弘、尾崎直道、加瀬秀樹、トム・ワトソン、フレッド・カプルス、アーニー・エルス、その他諸々。
こんな高名プロが競って使うと、アマチュアにも人気が沸騰する。
一時期はちょっと有名トップアマチュアゴルファー間でも、ヒロマツモトパターは人気の的だった。
そしてその名声を決定的にしたのが、ヒロマツモトHM-01。
「日本初の本格的削り出しパター」のキャッチコピーだけでなく、好事家を驚かせたのはその価格で、何と一本25万円。
因みに今のホームページカタログには、HM-01は記載されていない。
しかし松本ゴルフに問い合わせたところ、現在でも製作販売中であり、その価格は25万円プラス消費税と、デフレの世の中にあっても値崩れ率ゼロ。
最近でこそ、スコッティキャメロンやオデッセイの、限定版とかプロトタイプと称する高価格パターが存在するし、ピンスコッツデールパターは希少価値から高価格で流通しているが、バブルが弾けた1990年代にこんな高価格のパターを製作販売した松本ゴルフの心意気や大いに良し!

なのだが、「評判がいいから買ってみよう」のような代物ではないし、値段が恐ろしく高すぎる。

普通のアマチュアゴルファーにとっては、ハンドメイドを表すヒロマツモトのHMシリーズは文字通り高嶺の花。
しかしゴルファーって種族には、見栄っ張りが多い。
ヒロマツモトのパターを使っていると、それだけで上級者と思われるし、何よりも「気は心」で、パターが上手くなったような気分になる。
そんな訳で、ヒロマツモトパター廉価版を購入し、仲間内で優越感に浸った御仁は多いはずだ。
しかし廉価版と言っても4万円から5万円はするので、かなりの経済的負担を強いられるのだが、素人ゴルファーにとって大事な「見栄を張る」ためには、その程度の代償はやむを得ないものだろう。

僕はこの度、そのヒロマツモトHM-01パターを入手した。
しかも二本も。
無論新品を買えるほどの経済的余裕がないので、中古に決まっている。
しかしこんな高級品を買えたのは、「ラッキーだった」の一言に尽きる。
一本は1991年に、ショップのオーナー経由で当時ツァー最後の3試合を連勝して逆転賞金王になった尾崎直道と全く同じパターを直接松本宏幸氏に発注し、二か月かかって製作してもらったもの。
そんな大事なモノなので実戦使用歴はゼロ、まるで新品同様のものだ。
実際に使うにはもったいないので、これは我が家でも観賞用。
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もう一本は、オークションに出品した持ち主が、全くこのパターの名前も価値を知らない。
かなり使い込んでいるからだろうが、普通のパターよりも安い価格が設定されていた。
写真で見る限りHM-01に間違いないと思うが、競争入札者も最後まで現れず、結局入札開始価格で落札してしまった。
あまりにも上手くいったので却って不安になり、松本ゴルフに写真を送り鑑定して貰った結果、晴れてHM-01のお墨付きが得られたが、メッキ塗り直しには2万円プラス往復送料がかかる。
「塗り直すか、こっちを実戦で使うか?」と、ハムレット同様に悩んでいる。
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パター収集を始めて久しい。
ピンパターを中心にコレクションとしておよそ20本を所有しているが、これにヒロマツモトが加わった。
嬉しくて仕方がない。