昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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スマホとガラパゴス携帯

昨今の時流だろう、会社からスマホが貸与された。
これがあると、出張先でも会社のメールが読める。
確かに便利だが、一面、知らない方が良い情報まで連絡が入ってくる。
休みの間に社員家族の訃報など入ってくると、「知ってしまったら仕方がなく」告別式に赴くことになる。
24/7が英語になるほど、最近のサラリーマンは、毎日スマホで会社とつながっている。
便利なことは、実は不便なことでもある。

ところでスマホ
携帯パソコンなので、インターネットも楽しめる。
情報は何でもありだし、ちょっと分からない言葉を調べるなど、辞書代わりにもなる。
接待用の店だって簡単に探せるし、ナビ機能も完備されている。
カメラの解像度もバッチリ。
怖いものなしだが、ガラパ携帯に比べて、取り扱いがややこしくなった機能もある。
例えば乗換情報。
ガラパ携帯は、その機能だけが特定されていたので、実に簡単にチェックできた。
飛行機や新幹線の時間変更も、スマホでは簡単ではない。
アドレス帳も、ソート機能がない。
スマホショップに「こんなに高い買い物なのに」と文句を言うと、「ガラパ携帯は、日本的に進化したので、一部の機能ではスマホよりも勝っている」と、いとも簡単に認めた。
しかも電池の減りが早い。
いつも充電用コードを持ち運ばないといけないなんて、煩わしいことこの上ない。

初めてスマホをみたのは。2006年アメリカ出張の時だった。
ニューヨークの商社マンが、小さなキーボードが一杯の携帯電話を使用していた。
新しいモノ好きの当方、物珍しくさも加わり、「ソレなぁに?」と質問すると、彼は「これで会社にいなくても全ての業務が片付きます」と答え、更に「今のアメリカのエリートサラリーマンたちは全員このブラックベリーを所持しています」と続けた。
しかしあまりに小さいキーボードなので、如何にも使い辛い感じにしか見えない。
「こんなの絶対に流行らないな」と断言した覚えがある。
ところがその後、彼の言った通りにブラックベリーは世界中を席巻、半年後のヨーロッパでは我が社の現地社員まで所持するようになっていた。
当方、ここで初めて使用してみたが、どの部分で聞き、どこで喋るのか全く見当がつかず、大いに難儀した。

時が経つこと、五年。
まさか超スマホ音痴だった当方に、最新鋭式スマホが貸与されるとは、お釈迦様でもご存じなかったに違いない。
そして老人サラリーマンは、この機械の機能をほとんど使いこなせず、誠にもったいない限りだが、まるでガラパ携帯と同じ、単なる電話として扱っている。
実は、これは当方だけではない。
同時期にスマホを貸与されたロートル戦士の中には、「昔のガラパ携帯の方が良かった」と、会社が大枚をはたいて導入したモノを早々にギブアップした輩まで出ている。

高機能機械偏差値が低いことにかけては人語に落ちない当方は、FOMAカードさえ入れ替えればガラパ携帯もスマホも使用可能であることを知り、今じゃ出張の際には両方を持ち運ぶことにしている。
どっちもどっちの目糞鼻糞状況だが、当方は、ギブアップの輩よりも進んでいると自負している。