昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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中国の無錫では桜が満開

今回の中国出張の目的地は、上海浦東空港から西へ150kmの無錫市
今は事務所とのゴタゴタで、中央のテレビから消えてしまった尾形大作が「無錫旅情」を歌った時は、実に牧歌的なイメージだった。
   俺など忘れて 幸せつかめ
    チャイナの旅路を行く俺さ
   上海、蘇州と汽車に乗り
   太湖のほとり、無錫の街へ
それが今では、新興の工業都市で、人口は600万人。
高層アパートが文字通り林立し、昔の面影を探すのが大変。

日本人は3千人もいて、日本料理店も驚くほど多い。
そんな無錫市では、至る所で桜が満開を迎えていた。
桜は日本の国花であり、反日感情が満ち溢れた中国で、こんなに多くの桜が植えられていることに驚くと同時に、不思議でならない。
同行のガイド役によると、「無錫旅情の歌がヒットして以来、この町は大変親日的。桜の花もその表れです」らしい。

確かにこの町には、日本の名だたる企業が大挙して進出している。
ソニーパナソニックの工場が隣同士に位置しているのも、世界で唯一この無錫だけだ。
いずれもかっては超名門企業だが、現在は収益面で大苦戦しているので、中国でも元気がない。
企業って正直なもので、玄関の佇まいを見ただけで、数年前の元気溌剌さが消えている。
パナソニックに至っては、昨年の反日デモで標的扱いされ、それまで中国優先の企業活動をやってきたのにと恨み節が聞かれた
   ナアニ、中国なんてそんなもの、単純に人の情けを過信したアンタが世間知らずなのよ。
最近の領土問題で、すっかり中国(ついでに韓国も)嫌いになった当方、自分の見識の浅さは棚に上げて、世界の名門企業に上から目線でアドバイスをしておいた。(但しソッと心の中でだが)

しかし、昨年の反日デモの嵐が吹き荒れた時に、この町では公安(日本の警察)が企業の前に立ってデモ隊を牽制したらしい。
通訳を勤める中国人は、あの騒ぎの時に自分の父親が、「釣魚島は本当は日本の領土」と電話してきたので、慌てて「思うのは勝手だけど絶対に口外するな」と言い聞かせたと話していた。
中国人の考え方の多様性は、日本人には理解できない。
むしろ地方の隅々までマスコミの影響に踊らされる日本の方が、単純なモノクロ、モノトーン発想に陥り易いかもしれない。

中国挙げて、街中や道路で、反日で暴れ騒いでいるのではなく、まるで冷静沈着に状況分析している中国人もいる。
豊かになったり、インテリの中国人は、次のステップとして言論の自由を求める。
そんな中国で共産党一党独裁を維持するためには、こんな声を厳しく押さえ込まないといけない。
その時こそ、反日カードで国民を駆り立てることが、最も有効な手段なのだ。
こんな分析は、日本では最近すっかり定着したものだが、それを中国人に言われると、大いに説得力を感じる。

そもそも、愛国教育を通じて反日思想を徹底させた江沢民そのものが、父親は日本軍の協力者だったとか、本人は実は日本語がペラペラだとか、果ては酔っ払うと炭坑節を歌うとか、必ずしも反日一辺倒ではないのだが、そんな自分の過去を隠すために、国内で更に激しく反日を煽っているのだと言う。
江沢民の親父の噂は聞いたことがあるが、炭坑節の話は初耳。
公称人口13億人、実は本当はどれだけいるのか不明の中国人を、表面的なマスコミ情報で一面的にステレオタイプに見るのは危険だ。

ガイドの中国人は、偏屈に視野が狭い当方を諭すようにそう断定した。
中国中がPM2.5で上を下への大騒ぎと思い込んで中国入りした当方、「成程」と大いに納得!