昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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あだ名

有吉弘行なる芸人がいる。
遥か昔、インチキヒッチハイクで世界一周して大人気を博した「猿岩石」の片割れで、ミリオンヒット曲も出したが、その後長期に亘って低迷。
一発屋芸人扱いだったのに、最近は、「毒舌あだ名付けの名人」とかで人気沸騰中。
今や奇跡のカムバックを成し遂げたゲイニンとして、テレビで見ない日はない。

彼のあだ名付けは当意即妙、視聴者からも仲間内からも評判がいい(らしい)。
しかし「○○クソヤロー」とか、大いに品のない表現が多く、当方のような玄人(を自称する)評論家の評価は低い。
とマァ、有吉の事など、どうでもいいのだが、当方もまた(知らない人は知らないが)、知る人ぞ知るあだ名付けの名人と、識者の間では極めて高い評価を受けている。
但し当方の場合は、誰それに似ているとか、なにそれとソックリとか、顔立ちや所作振る舞いの特長を、極端にデフォルメしたネーミングが多い。

その為、こちらは親愛の情を示した積りでも、相手がそう取ってくれる保証はない。
テレビの芸人なら、相手を悪し様に罵っても何の問題も発生しなし、場合によっては注目を浴びたと感謝されるかもしれないが、当方のように、あだ名付けの対象が社内や取引先となると、不興を買った場合は、我が身だけでなく商売にも悪影響を及ぼしかねない。
セクハラと全く同じで、下手をして不愉快千万と思った相手から、名誉毀損で訴えられるかも知れない。
コンプライアンス全盛の現代で、そんなリスクを犯してまで、自分の隠れた才能をひけらかす必要もない。
よって密かに、且つしめやかに仲間内だけで語り継がれて、人口に膾炙する事はありえない。
真にもったいないことだ。

しむらけんの馬鹿殿に似ている人には、あまりに露骨な表現はまずいので、頭文字をとって「BT(ビーティー)」と名づけた。
万一本人の耳に入った時には、アメリカの二枚目俳優、ウォーレン・ビーティの事だと言い訳する積りだ。
もう一人は、醸し出す雰囲気から「マジンガーZ」。
「怪獣ブースカ」もいる。
先だって引退した、相撲取りの「雅山」もいたナァ。
因みにこの四人とも女性だが、目を細めてそう思って見れば、不思議とそう見えてくる。

周囲の識者の中でも、最も玄人受けしたあだ名は、「ミス・タンザニア」。
これは彼女が色浅黒く、頭の上下動が極端に少なく、滑るような歩き方をするので感覚的に命名したものだが、まさに「言いえて妙なり」だったらしく、聞いた人は頭の中に「ミス・タンザニア」のイメージが浮かんで消えず、眠れなくなったほど興奮したと褒めてくれた。

昔の中学、高校時代には、学校の先生に対してあだ名付けは流行っていた。
実はユニークなあだ名のある先生ほど、人気があった。
先生の方もそこが良く分かっていたので、敢えて見て見ぬ振り、聞いて聞かない振りをしていた。
今では、こんなあだ名がバレた途端、大問題になってしまう。
未だ悪ガキ時代のセンスそのままで生きている当方、昔の時代が懐かしい。