昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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起てバンコクの労働者

タイのクーデターでは、軍部は一応中立を装っているが、実は反政府、即ち反タクシン派。
反タクシン派は、選挙をすれば必ず負けるのが分かっているので、軍のクーデターには賛成のはずだ。
一方のタクシン派は、民主主義の原則に則って選挙で選ばれたのだから、クーデターで政権を追われるなんてもっての外。
と言うわけで、タイの政情が安定するまでにはまだまだ時間がかかるし、厳しい見方をすれば、いくら時間を掛けても、軍が退けばこの両派間ではすぐに矛盾が噴き出すに違いない。
ただタイに進出している日本企業にとっては、タクシン派が強くなればなるほど、例えば賃金が上がるとか、雇用が難しくなるとか、ビジネスには悪影響が出る。
僕は、タイに進出した企業をたくさん知っているので、他人事とは思えない。
拠って日本経済だけを考えて、エリート階層が多い反タクシン派の方を応援している。

前振りが長くなったが、今回の「起てバンコクの労働者」は、タイにはまるで無関係の日本の話。
実は先週、故郷の姉が、風呂で滑って足の踝を骨折した。
ついでに、妻の実家にも足が遠のいていたので、併せて見舞いに出かけた。
久し振りの飛行機利用だったので、チョイと贅沢してファーストクラスを予約。
この時点でファーストクラスが満席になったので、同行した妻はキャンセル待ちだったが、搭乗開始直前に「席が用意できました」と連絡があり、大喜びで手続きに入った。
ところがその直後に、「今、搭乗予定のお客様がチェックインされました」。
ここまでで、既に離陸予定時間から、20分以上遅れている。
「こんな時間になってそんな馬鹿な」と不信感が募ったが、やむを得ない。
妻は、不承不承ながら、普通席に回って行った。
何はともあれ、いよいよドアが閉まって出発と思っていたら、「搭乗予定のお客様をお待ちしていますので」と、更に10分程度遅れる事が判明した。
と、ここでアタフタと席に着いたのが、テレビにも度々出演していた民主党の国会議員、H。
CAが機内放送で「大幅に遅れて申し訳ありませんが、全てのお客様をお迎えしましたので出発します」と謝罪。
国会議員Hが、唯一残っていたファーストクラスの席に座って、やっと離陸体制に入った。
僕はこの時、ピーンと来た。
予定の飛行機が遅れたのは、この国会議員Hの到着を待っていた為に違いない。
たった一人の国会議員の為に、残った多くの乗客に迷惑をかける。
こんな横暴が許されていいのか。
直前にアップグレイドをキャンセルされた妻の分も含めて、大いに怒りまくり、事の顛末を知人に連絡した。

すると後日、この知人から「君と全く同じ事が起きた!」と電話があった。
彼によると、出発時間を大幅に遅れているのに、CAから「搭乗予定のお客様が、今こちらに向かわれていますので、暫くお待ちください」の放送があり、なかなか飛び立たない。
そこに自民党の大物国会議員、Aとその秘書団がドヤドヤと乗り込んで、ファーストクラス席を独占。
やっと離陸となった由。

その昔、仕事で飛行機を多用している時、稀に「お客様をお待ちしていますので、暫くお待ちください」と放送される事があった。
冷静に考えれば、これは極めておかしい。
受付には「10分前までに手荷物検査が終わらなければ搭乗できません」と明示されている。
稀にチェックイン後に行方不明になる人がいるかもしれないが、大半のケースは実はこのように、我が儘を言う輩、例えば国会議員とか、航空会社の幹部たちが離陸時間に間に合わない時に、電話一本で待機を要求したのではないか。

国会議員、HとAの場合、通常なら明らかに乗り遅れになる。
しかし両方とも、搭乗〆切予定を大幅に遅れているにも拘らず、航空会社は彼らが到着するまで待っていた。
これは決して偶然ではなく、かなりの確率で航空会社には特権階級が存在している事を表しているに違いない。
本来なら、選挙で国民に選ばれた公僕のはずなのに、国会議員の立場を利用して、その他大勢の乗客に迷惑をかける。
実態はそんな国会議員のくせに、テレビやマスコミには「国民の為に働く」と美辞麗句を並べ立てる。
HもAも、そんな殊勝な輩ではない。
実にケシカラン!
怒れ、万国の労働者!こんな国会議員は、次の選挙で必ず落選させるべきだ。
恨み骨髄で、私利私怨を晴らしたい思いだ。