昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

チェスキー・クルムロフの夜は更けて

宿泊したホテルにバスタブがない。
シャワーだけだと疲れが取れないし、体が汚れたままの気分になる。
実はこの点は、日本人に共通の意識で、首までドンブリと漬からないと風呂に入った気がしない。
これは間違いなく、神道に影響された潜在意識と確信している。
神道では、穢れを水で洗うことが基本中の基本だ。
外国人は便利さからシャワーを多用するが、我が日本人は、シャワーでは水滴がまばらなので、体に付着した穢れを、完璧に洗い落とすことが出来ないと、無意識の内に考えているに違いない。
そうでなければ、体を風呂に沈めた後に、「アァ極楽!」と感激に浸る、多くの日本人の行動が理解できない。
とマァ、そんな小難しい理屈はどうでも良いが、二日目はホテルに頼んで、バスタブ付きの部屋の変えてもらった。

これで少々汗をかいても大丈夫。
勇気凛々で、朝から観光に出かける。
ところがこの日から、急に気温が上がってきた。
昨日までは午後の気温でも15度~20度と、将に観光には打ってつけだったのに、この日は早朝から20度を越えている。
午後は、29度の予想が出るなど、まるで一気に夏が来たみたいだ。
少し歩くだけで、汗まみれになる。
一時間でホテルに戻り、早速風呂に入って汗を流した。

午後からは、残った半分のチェスキー・クルムノフの市街地を散策した。
途中にこの市の歴史館があったので、チョイと寄り道。
遥か昔の古代人の生活から、ナチスに占領され、戦後はソ連支配下に置かれたものの、1989年の民主化闘争で、共産党一党独裁を倒した時に、この地方は重要な役割を担った。
と、そんな歴史的事実が、こと細やかに展示されていた。
これで一人50クロネは安い。

夕食は、昨日と店を変えて、再度スパゲッティに挑戦。
今日の方が圧倒的に上手く、支払いは現地クロネを使用したので、残りは25クロネ。
理想的に、スイス現地通貨を使いきることになった。

翌日はバスを利用することになっていたが、その場所を教えてくれたホテルの受付嬢が当てにならない。
用心してバス停まで出かけて調べるが、発車予定時間に出発するバスがない。
係員に質問しても、頓珍漢な答えしか返ってこない。
まともに行っても、次の駅での乗り継ぎ時間は、5分しかない。
日本人とは違って、かなりいい加減な部分がある民族集団なので、次の駅まではタクシーを使うことにした。
外国では、金よりも安心を優先しないと、トラブルを招きやすい。