起床時間が午前6時。
ゆっくりと朝食をとり、ホテルの部屋で休憩をとって、10時ころから活動開始。
チケットの買い方が分からないので、直接窓口へ。
旅の成功の秘訣は、とにかく何か分からないことがあったら、誰かに聞くこと。
窓口のオニイチャンに「ダッハウに行きたいが、チケットはいくらでどこで買えるか?」と質問すると
「ここで買えるヨ、二人で往復15.4€、一日チケットだから明日の午前6時まで使用可能」と教えてくれた。
日本の感覚では、一日チケットの有効期限は午前0時のような気がするが、ドイツは翌日の実働開始時間までが今日との認識のようだ。
尤も午前6時までの使用は、実際にはほとんどあり得ない。
Sバーンを使って約20分。
収容所記念館までは、ダッハウ駅からバスを利用する。
しかしどこでチケットを買うのか分からずウロウロしていたら、階段に座っていた太ったバアサンが「726番のバスだよ、チケットはバスの中で買いナ」と声をかけてきた。
見た感じはユダヤ人風情なので、遥かアジアから収容所を見に来た観光客に親切にしてくれたのだろう。
途中ジョン・エフ・ケネディとの停留所があり、そこから二駅目が収容所がある駅で、ほとんどの乗客が降りる。
観光バスがずらりと並んだ駐車場を過ぎると、インフォメーションセンターに到着。
入場料は無料だが、音声案内は3.5€。
但し、中国語はあるが、日本語案内はない。
第二次大戦を共に戦った、日本へのレスペクトの心がないのは腹立たしい。
ダッハウ収容所跡は、広大な敷地で、入り口から収容所設立に至る経緯や、記念品がズラリと並んでいる。
どれも決して、気分が晴れるものではない。
ナチスの蛮行は、人類が犯した最も下劣な犯罪の一つだが、この収容所記念館では、中学生と思しきドイツ人集団をたくさん見かけた。
彼らはガイドの説明に熱心に聞き入っていたが、最後の場所でガイドに向かって一斉に拍手をしていた。
またドイツの首脳は、折に触れてこの場所を訪れ、被害者に哀悼の念を示している。
これを持って、ドイツは日本に比べ、第二次世界大戦を深刻に反省していると思う人がいる。
残された囚人ベッドは、日本のカプセルホテルを思わせるが、250名の定数に対して1600人が押し込められ、食料も薬もないまま餓死、病死せざるを得なかったことを髣髴とさせる。
そんなことを、国を挙げて実行したのだから、ドイツが真摯に反省し、二度と同じ誤りをしないと肝に銘じるのは当たり前だろう。
しかし、ニュルンベルグのナチ結党大会記念館を見ても同じことを感じたが、では一体何故、当時のドイツはこんな蛮行に走ったのか?
過去を反省すれば、二度と過ちを繰り返さない程、世の中は単純ではない。
ドイツが再び積極的にユダヤ人を迫害することは考えにくいが、ドイツが二度と戦争をしないとは言い切れない。
その時に、戦争の狂気が国全体を覆えば、正義など一気に変わってしまう。
人が社会の中で生きていくのは、並大抵のことではない。