昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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やっと潮目が変わった

僕は小池百合子東京都知事就任直後から、彼女には否定的で、彼女の支持者は頓珍漢連中に違いないと確信していた。。
しかし彼女の支持率は80%。
と言うことは八割の人が、僕のことを頓珍漢と思っていることになり、やりきれない思いだった。
 
昨年7月、圧倒的大差で東京都知事に就任した小池百合子だが、直後のオリンピック開催地で躓いた。
この時は、日本中の嫌われ者、森喜朗が敵役だったので、当初は楽勝と思われていたが、IOCバッハ会長との面談でゼロ回答を食らい、結果として画策した三会場変更とも元の鞘に収まってしまった。
しかし続いて打ち出した豊洲市場移転延期こそが、小池百合子人気をピークに押し上げた。
この時の敵役は、石原慎太郎都知事と、小池百合子が「東京都のドン」と攻撃した内田茂だったが、盛り土がなされていなかったことと、問題なかったはずの地下水汚染が明らかになり、一気に小池百合子優勢の局面となった。
その結果、公明党との選挙協力民進党からは迷惑極まりない抱き着き作戦、自民党からも離党者が馳せ参じ、小池百合子主導の都民ファーストの会は、次の都議選で圧勝すると予想される事態を迎えた。
 
しかしここにきて、潮目に変化が出ている。
まだまだ70%近いとはいえ、支持率が下落傾向らしいのだ。
先ず小池百合子の金看板だった情報公開について、全くの我田引水ぶりが明らかになった。
何よりも「豊洲は汚染されているから築地ブランドで」の思惑が、築地は豊洲以上に問題があることが判明してしまった。
しかも築地のデータについては、意識的に公表を避けていたこともバレた。
また豊洲地下水の汚染テストでも、それまでのやり方をわざわざ悪い数値が出る方法に代えている。
そんなことをすれば、過去のデータとの整合性が取れなくなるが、都議選で圧倒的に勝とうと画策する小池百合子には、どうしても石原慎太郎を悪者に仕立て上げなければならなかったようだ。
更に小池百合子とその支持勢力は、石原慎太郎を百条委員会に引っ張り出して勝負をつけようとした。
確かに石原慎太郎は、齢を重ね、かなり耄碌している。
受け答えに昔の切れ味がなくなり、記者会見でも百条委員会でも、評判が良かったわけではない。
しかし流石に往年の大作家だけあり、最後の最後で「科学が風評に負けてはいけない」と、小池百合子に蜂の一刺しを見舞った。
確かにそうなのだ。
専門家が「科学的に豊洲は安全」とお墨付きを与えたのに、小池百合子は「安全だけど安心ではない」と言い張った。
しかしこの論法は福島産製品が、「科学的には安全だが安心ではない」と言われ、長らく原発風評被害に苦しんだものと一緒なのだ。
こんな場合、科学的に安全ならば、国民、都民を説得するのは為政者の仕事だ。
復興オリンピックを謳った小池百合子が、福島を苦しめた論法を用いて豊洲移転を先延ばしするとは、全く皮肉な話だ。
 
更に言えば、小池百合子は自分に反対した連中への復讐心で、都政を壟断しているとの疑念がある。
小池百合子は、ここに来て反小池姿勢を鮮明にしてきた自民党を「かなり野党になった」と揶揄した。
しかし小池百合子は、都知事ではあるが、別段都議会の与党ではない。
自分が与党であり、自分への反対意見は野党と勝手に決めつけているだけだ。
また公明党との選挙協力では、都知事自らが会場で公明党代表と握手していた。
このいずれも、都知事と都議会は二元代表制であり、いずれかが主でも従でもないことが理解されていない。
小池百合子は次の都議会選挙で、都民ファーストを圧倒的な与党に仕立て、反対勢力を壊滅状態にして、名実ともに東京都政を牛耳ってしまう算段なのだ。
これでは健全な地方政治にはならず、単なる独裁者都知事と忠実な下部都議会の関係になってしまう。
 
また築地市場の汚染や危険性は、とうの昔から分かっていたが、現実に商売をやっている業者を慮って敢て問題視してこなかったのに、余りにも豊洲が悪者になってしまったために、その比較として白日の下に曝け出されてしまった。
もはや、「汚染塗れの豊洲」対「信頼できる築地」の構図は、誰からも信用されない。
これほどのデータが明らかになった以上、移転問題をこれ以上先延ばしする意味がないだけでなく、むしろ移転延期による経費アップが大問題になってしまった。
ここに来て急激に高まっている「移転問題に結論を」の声は、そのような背景からきている。
当初は豊洲問題を政局にして7月都議戦で圧勝する目論見だし、そう公言していた小池百合子に対して、「何も決めなず、専門会議に丸投げする都知事」と逆風が吹き始めた。
もっと言えば、税金をどれだけ無駄遣いしてでも、悪役と戦う改革都知事の印象操作で都議選勝利を目指した小池百合子のアコギさが、満天下に知られ始めたのだ。
 
そもそも改革を掲げた新党は、「新自由クラブ」の河野洋平、「日本新党」の細川護熙、「民主党」の鳩山由紀夫菅直人小沢一郎、「みんなの党」の渡辺義美、「新党改革」の舛添要一等々、組織も人材も碌なモノではなかった。
仮に小池新党が作られても、一時的ブームにはなっても、その勢いが持続するはずがない。
何故ならそこに集まっているのは、次の選挙目当ての若輩政治家ばかりで、国政はおろか都政すら担うに値しない付和雷同の連中に過ぎないからだ。
 
僕は当初から例え次の選挙で負けても、自民党東京都連自民党らしく振舞うべきだと主張していた。
だからここに来て自民党が、小池百合子との対立軸を鮮明にしているのは大いに喜ばしい。
東京都の戦いは、次の選挙で全てが決まるわけではない。
自民党が名誉ある野党を覚悟すれば、必ず失地回復のチャンスが訪れるし、ここに来ての小池百合子のマゴツキ、フラツキぶりを見れば、そもそもそんなに負けないかもしれない。
正々堂々と、小池百合子の問題点を指摘し続けて欲しいと、そう願っている。