昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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夫婦も仕事も分業と協業

夫が会社勤務で妻が専業主婦の家庭は多いが、この場合、給料は夫だけで稼いだものではない。

給料は夫婦が協力して稼いだ結果であり、夫と妻の仕事の分担が違うだけだ。

 

夫が安心して会社勤めに専念できるのは、妻が家事全般をこなし、家庭での後顧の憂いがないからで、仮に家庭にトラブルがあれば、精神的にも時間的にも夫への大きな負担になり業務に集中できない。

また、会社勤めには毎週必ず安息日があるのに比べ、家事は一年中無休で働き続けないといけない。

その大変さへの想像力と感謝の思いが不可欠で、給料は夫婦が分業し協業して得たものと考えるべきだ。

会社での苦労を過大に思い込み、不用意に「俺が稼いだ金」などと暴言を吐くと、妻から「主婦の仕事の大変さが分かっていない」と強烈な反発を招くし、人間関係も上手く行かなくなる。

 

家庭と同様に会社の業務も、製造がモノを作り出し、営業が販売し、物流が顧客に届けるのだが、その全てがコーポレイト部門のサポートを受けていて、社員の分業と協業で成り立っている。

決して、ごく少数のスーパーマンだけの働きで、目標が達成出来ているわけではない。

 

例として分かり易いのが野球だ。

これは絶対エースと不動の四番バッターさえいれば、ペナントレースを勝ち抜けるほど単純、簡単ではない。

監督はあらゆる事態を想定し、スタメンの打順、守備配置、投手順番を考え、控え選手を用意する。

実際の現場では、バッターは単に打つだけでなく、相手投手の調子や特徴を探り次の打者に伝え、守備では必ず前後左右の選手をバックアップするし、控え選手もまた出番に備えて準備している。

監督も選手も、グラウンド、ベンチを問わず、全員が一致協力して、チームの勝利を目指している。

 

会社の仕事も一緒で、リーダーが担当配置を決め、各々の担当者の活動で得た情報を共有し、担当者同士もお互いにバックアップしながら、組織における成果向上を目指す。

野球に限らず、スポーツの名監督に企業から講演会の依頼があるのは決して偶然ではなく、スポーツと企業活動が、分業と協業で勝利を目指す極めて似た要素が多いからだ。

自分が中心になって組織を引っ張るとの自負心は決して悪いことではないが、同時に、一緒に仕事をしている先輩、同僚、後輩、取引先など、全ての人が自分をサポートしている仲間と認識するべきだ。

 

無論、至らない点に気が付いたり、不満があれば、それを指摘、改善する姿勢は当たり前だが、その時も彼らへの敬意と感謝の思いがあっての注意であれば、単なる悪口や意地悪と間違われることはない。

 

メーカーと商社の関係も一緒で、メーカー営業の不足部分を商社が担当しているし、逆もまた然りだ。

家庭でもスポーツ現場でも職場でも、自分の働きだけをフィーチャーして、他人の目に見えない働きや功績に気が付かないのは、実際の仕事が分業と協業によって効率的に運営されていることを知らない愚かさの表れでしかない。