昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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作家受難の時代

百田尚樹が新刊、「夏の騎士」が18日に発売された。

発売日が芥川賞直木賞発表の翌日になり、百田尚樹は本の売行きを不安視するツイートをしていた。

今まで、出版した本の大半がベストセラーになった百田作品なので、今回の売行きについては興味がある。

流石に当代一の人気作家だけに、AMAZONではベストセラーになったようだ

 

しかし,、この本が出版されて間もない、と言うよりも販売日そのものなのに、もうメルカリに出品され、1350円で売買が成立している。

これはいかがなものか!

 

メルカリに出品する人は、既に読んでしまったので、もはや無用の長物とでも思っているのだろう。

また1512円で新刊を購入し、それを1350円で売れば、実質200円程度で本を読んだことになり、お得感も強いのだろう。

(無論、送料負担やメリカリの手数料があるので、実質の手取りはもう少し少ないが)

購入する側も、普通に本屋で購入したり、AMAZONで手当てするよりも、200円弱安く入手できる。

双方、ウィンウィン関係ではある。

 

しかし、こんなことが定着すれば、作家や出版社にとってはたまったものではない。

 

昔から、古本ビジネスはあった。

それは特定の古本屋が、地域に店を構え、マニアックな購買層を対象に商売をしていたものだ。

神田の古本街で、自分が買いそびれた廃番作品を探すのは、マニアの楽しみだった。

しかし、現在のメルカリやネットオークションはネットを利用することで、カネもかけず、しかも全国レベルで購買者を探す。

システムが大掛かりで、従来の古本屋ビジネスとは根本から違っている。

こんな大型回し読みスタイルが定着すれば、間違いなく本の需要が減ってしまう。

 

作家は、文字通り命を懸けて、作品を作り上げる。

それは自己顕示欲であり、他人からの認証欲望でもある。

自分の作品が、世の中で認められなければ、彼らは存在価値がないのだ。

そしてその結果は、作品の売行きで評価される。

しかし実際には読者がいるのに、作品の売行きが芳しくない事態が現実になっている。

作家の実力が、正当に評価されないことは、将来の文化面でも大きな損失になる。

 

読者は、購入コストが安くなれば、すぐに歓迎し、追随してしまう。

そんな風潮の中でも、文化を維持し拡大するためには、社会的な投資が必要だ。

作家を育成し、将来の文化を守るためには、例えメルカリやネットオークションが便利で使い勝手が良くても、回し読み方式を規制を考えるべきだと思う。