ホテルの朝食を食べた後、ローマ橋を渡ってカラオーラの塔へ。
美術館があり、イスラム教の影響を強く受けた、古きコルドバを説明してくれる。
ヨーロッパ各国を旅すると、キリスト教の影響を受けた芸術や文化に、嫌と言うほどお目にかかる。
しかし、イスラム文化に触れる機会が少ない。
知らないために誤解していることも多いだろうし、知らないためにイスラム教そのものを軽視しがちになる。
しかし今や、イスラム教はキリスト教を凌ぐ、世界一信者の多い宗教だ。
「敬虔な無宗教徒」の僕には理解できないが、信者には魅力溢れた宗教のはずだ。
ホンの一端だが、そんなイスラム教の魅力を理解できたような気分になった。
外は、異様に暑い。
それでも、朝の気温は28度。
これが一日で一番涼しい時間帯で、午後7時のピークまで、気温は上がり続ける。
少々バテテしまい、いったんホテルに戻って休息。
こんな時は、ホテルが観光地のすぐ傍なのが有難い。
昼食は軽くフルーツで、午後1時からホテルから徒歩1分のアルカサール庭園へ。
50人以上の列に並んでいると、前の外国人が「暑いね、どこから来たの?」話しかけてきた。
型どおりに返事して、「して、オヌシは?」と聞くと、「イングランド、マンチェスター」と答える。
こうなるとお決まりのプレミアリーグネタで、「ではユナイティッドファンか?」と聞いて話を盛り上げようとしたら、嫌な顔をされた。
「スマン、スマン、ではシティ?」と聞き返すと、「自分はロンドン出身でチェルシーの大ファンだ」と答える。
しからばチェルシーについて、知ってる限りの情報交換ですっかり仲良くなった。
そのうちに、日陰で休んでいた奥方や、その前にいた二人のアメリカ人らしき若者まで会話に参加。
「Your English is so understandable.」とお世辞の積りが、「Of course, I‘m speaking slowly.」と答えられたのには参ったが、一同大爆笑。
向こうもお世辞丸出しで「君の英語は素晴しい」などと褒めてくれるので、炎天下の行列ですっかり退屈しのぎになった。
このアルカサール庭園は、シニアはタダ。
タダほどありがたいものはないので大満足して、またしてもホテルで一時休憩。
続いて、メスキータ大聖堂へ。
ここの入場料は、割引ゼロの10ユーロ。
ここには、世界最大だったイスラムモスクの建築様式が張り巡らされているが、壁側は全てキリスト教徒の礼拝用に仕切られている。
今では、キリスト教徒のための礼拝が毎日行われているらしく、この日もミサのために午後の入館は3時からとなっていた。
観光疲れで、あまり食欲がない。
しかもコルドバのローカル料理にも、見るべきものは少ない。
こんな時はイタ飯に限る。
ネットで評判の店を見つけ、そこを目指すが、狭い迷路で迷ってしまった。
面倒臭くなったので、ウェイターが「パスタ、あるよ」と教えてくれた店に飛び込む。
そんな展開なのでまるで期待していなかったが、出てきたパスタは美味かった。