丸々二か月ぶりにゴルフに出かけた。
場所は、今や唯一のホームコースとなった、家から車で五分の河川敷コース。
当然ながら、手押しのカートでのプレイとなる。
今回は、誕生日プレゼント券があり、加えて70歳以上の高齢者は税負担なし。
要は、全くタダでゴルフができるのだ。
ところが、定年後のゴルフにいつも付き合ってくれていた妻は、「暑いからヤダ」と同行拒否。
やむを得ず一人で赴き、朝一番のスタート時間を確保。
この日で、長かった梅雨が明けたらしく、早朝から猛烈な暑さだ。
もう一人のメンバーとの、二人プレイとなった。
天候は晴れだが、朝霞がかかっていて、ボールが見えにくい。
ご機嫌にスタートしたものの、いきなりティーショットが右のラフに入り、ボールが行方不明に。
同伴者は一所懸命に探そうとするが、こちらの最大目標はリハビリなので、サッサとロストボールを宣言でその場からプレイ再開。
ルール上は元の位置に戻らないといけないが、そんな殊勝さは皆無だ。
しかし、久しぶりの実戦にしては、ショットは良好だし、スリーパットもない。
ところが数ホール進むうちに、暑さにどんどん体力が消耗しているのを実感する。
押していくカートは重たくなるし、水分補給が頻繁になってくる。
はた目にもバテテいるのが分かったようで、とうとう6番ホールで、同伴者から「後ろも来ないので一休みしましょう」と、声をかけられてしまった。
それでも気を取り直してプレイに戻るが、何せボールの行方が全く分からない。
ボール探しは、全て同伴者任せで、ただショットするだけになると、申し訳ない気分になってくる。
それと比例するように、疲労度が更に増してくるが、実はこの感覚は、その昔ゴルフで熱中症を患ったのと同じだ。
この時は、プレイ後の風呂で脹脛に激痛が走り、そのまま動けなくなってしまった。
同じ症状で、救急車で病院に運び込まれたが、数時間後に死んだ人も知っている。
これはヤバイ!
ついに、9番ティーグラウンドで勇気ある撤退を決意し、リタイアを宣言した。
一旦スタートしたからには、死んでも完走するべし!
一昔前なら、そんな気合をかけていただろうが、心臓に持病を抱える身としては、無謀なチャレンジは命取りになる。
また、プライベートゴルフに、命を懸けるまでの使命感はない。
坂道を登ってクラブハウスまで歩く体力は残っていないので、そのまま車に直行し、クーラーを最強にしたまま休憩すること15分。
やっと人心地着いて、先ずは荷物を片付け、ノソノソとクラブハウスに辿り着いてシャワーを浴びる。
この間、水分は浴びるほど飲んでいるので、発汗量もすごい。
シャツもズボンも汗まみれで、脱ぐのにも一苦労する。
未だ沸いていない風呂水の温度は30度もないが、却ってその方が浸りやすく、たった一人で思う存分体を伸ばすことができた。
どうやら、熱中症にはかからずに済んだ。
これに懲りて、少なくとも乗用カートがなければが、夏場のゴルフはやめよう。
この歳になると、無理は禁物!
それにしても同伴者は、「ではお大事に」と声をかけた後、この暑い中を元気いっぱい次のハーフにチャレンジして行った。
同じ歳なのに、気息奄々の僕とはエライ差があるナァ。
次は、涼しくなった頃に、先ずは1ラウンド完走を目標に、ソロリソロリと再始動だ。