昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ある知人の死  

 

彼とはゴルフ仲間だった。

彼は、僕が長らくメンバーだったコースで、同じメンバー同士として知り合った。

僕より数歳、年長のようだったが、ゴルフ場ではお互いのプライバシーは詮索しない。

ただ問わず語らずながらも、それなりに知り得た情報では、長らく大手商社に勤めた後にリタイアして、ゴルフコースのメンバーになったらしかった。

 

スウィングは、お世辞にもキレイとは言えない。

本人も、「明治の大砲で、距離が出ない」と自虐気味に話していた。

しかし飛距離がない分、ショットは安定していて、月例などでも度々入賞していた。

 

そのうちに彼は、近所の河川敷コースのメンバーにもなった。

我々夫婦も、彼に続いて同じコースのメンバーになった時、彼には紹介者になってもらった。

そのお礼は、「知り合いなのだから気配り無用」と断られた。

それではと、JAL機内販売で焼酎「森伊蔵」を二本購入して届けたら、酒好きの彼には最高のお礼になったようで大いに喜ばれた。

 

しかしその後、彼が最初のコースを退会したことを知った。

その時は、「河川敷コースの方が便利だから」との理由だと聞いたが、そのうちに河川敷でも見かけなくなった。

コースに聞いてみると、「会員権を息子さんに譲った」ことまでは判明したが、詳細は分からない。

 

ところが昨日、古参のメンバーから衝撃な情報がもたらされた。

何と彼は、数か月前に死んだとのこと。

「酒とタバコが大好きで、だいぶ注意したけど、両方とも止めなかった」と教えてくれた。

 

僕の歳になると、しばらく顔を見ないと死んでいるケースが増えてくる。

年賀状も、数年返事が来ないと思っていたら、家族から死亡通知が来たりもする。

要は、いつ死んでも何らオカシクナイ、そんな年齢に達しているのだ。

 

それでも、仲間が一人、また一人と欠けていくのは寂しい。

彼についても、プレイ中の笑顔とか、セッカチだった性格とか、愛敬のある話し方とか、良い思い出がいっぱいだ。

前の組のプレイが遅いとイラついて、ボールが届く距離なのにショットしようとするのを止めるのが大変だった。

僕の長男と三人でプレイした時、息子に対して親身になってレッスンしてくれた。

 

もう一度、彼とゴルフをやりたい。

そんな気持ちにさせる、ナイスゴルファーだった。

謹んで合掌!