昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ドレスコード

僕の会社員現役時代は、結構厳しいドレスコードがあった。

 

顧客を訪問する時だけでなく、出社から退社まで、外部の人間とは一切会わない社内会議でさえ、スーツにネクタイが当たり前だった。

しかし最近、会社時代の後輩連中と会うと、実にカジュアルな服装をしている。

ネクタイをしていないだけでなく、ポロシャツにチノパン状態なのだ。

聞けば、その恰好で顧客とも面談するらしい。

 

確かに、湿気タップリで夏の暑い時期に、ネクタイ着用はバカ気ている。

そこで、当時国会議員だった羽田孜が、半袖のサマースーツを愛用した。

本人は、サファリファッションの積りだったかもしれないが、あまりの不格好さに、何時まで経っても、賛同者も追随者は全く現れなかった。

着眼点は悪くはなかったが、推進役のファッションセンスが足を引っ張った例だ。

 

次に登場したのが、クールビズだ。

これは目新しいボタンダウンのシャツを着用し、ネクタイを外す気軽さが受け、夏の日本にすっかり定着した。

クールビズ小池百合子の業績と言われるし、小池もことあるごとに自慢している。

尤も当の昔から、石原慎太郎は夏場のネクタイ着用は無用と主張していた。

その所為で、ネクタイ業界と激しく論争していたほどだから、小池嫌いの僕は、クールビズ小池百合子の手柄を持ち上げることに抵抗感がある、

 

この頃から、夏場にサラリーマンの背広姿は見かけなくなったが、今や一年中カジュアルファッションの時代になったようだ。

 

ゴルフ場のドレスコードも、変化している。

僕がゴルフを始めたころは、やたらとマナーにうるさい先輩たちから、ゴルフの腕前を磨くよりも先に、ゴルフマナーを徹底的に教育された。

その中で最初に言われたのが、ゴルフ場に行く時のファッションだった。

どんなに厚い時期でも、ジーパン、ポロシャツでクラブハウスに入るのは以ての外で、必ずジャケットを着用するものと教えられた。

夏場を短パンでプレイすることは良くあるが、その場合は必ずハイソックスでなければ、着替えを命じられたほどだった。

 

しかし最近では、短パンに短ソックスもOKになった。

止めはゴルフシャツだが、これも必ずズボンに中にしまい込まなければ、注意された。

ところが、最近ではズボンの上に出すシャツが売り出されたらしく、真夏ともなると、一見だらしなくシャツを着ているゴルファーが増えてきている。

昔気質のゴルファーには、目をそむけたくなる光景だろうが、これも時代の流れだ。

 

ただドレスコードには、別の一面で社会常識の縛りがある。

例えば、葬式に気軽な格好で出かけたり、結婚式に新郎新婦よりも目立つファッションはいただけない。

重要行事に出席の場合は、自然と従来からのフォーマルファッションになるだろう。

トーナメントのプロゴルファーには、先輩と同じ色合いのファッションは避けるとの不文律があるらしく、たまたま被った場合は、後輩は慌てて着替えるモノらしい。

しかしそれ以外の場で、ファッションに拘る必然性はあるのだろうか?

 

ゴルフのドレスコードにしても、短パン、短ソックス、シャツの外だしなどは、アメリカではとっくに解禁されていた。

さすがにアメリカでも、ゴルフ場にジーパン姿はいないが、それでも実にラフなスタイルでクラブハウス内を闊歩している。

四角四面なルールを振りかざしているのは、ごく一部の名門クラブだけだ。

 

そんなところも、次第に時代に合わせて変わっていくに違いない。

服装で個性を縛られたくないと主張する連中が出てきても、周囲はそれを拒否するのではなく、受け止めないといけないからだ。

男性限定だったゴルフクラブでさえ、女性会員を受け入れ始めたように、人間が勝手に決めたルールは、環境変化に順応して変えていかない限り、組織は生き残れない。

ファッションは個性の表現だから、基本的には自由なはずだ。