辞職した黒川弘務元検事長だが、どうも話がおかしい。
元々、野党や反日マスコミ界隈では、「黒川と安倍首相は入魂の仲」だったはずだ。
黒川の定年延長の大問題点は、脛に傷がある安倍首相が友達の黒川を利用して、検事告発を避けるための陰謀を巡らしたとの触れ込みだった。
マスコミの論調もそうだったし、野党もそんな追求の仕方だった。
ところが、右寄り人間に蛇蝎のように嫌われている、ヒダリ巻きの暴力集団、シバキ隊隊長の有田芳生が、妙なことをツイートしたので話がこんがらかってきた。
有田によると、黒川はヘイトスピーチ法成立に尽力した「正義」の検察官らしいのだ。
オイオイ、それってオカシクナイか?!
実際に、安倍首相の方は黒川への執着心はなく、世間で定年延長にブーイングが盛り上がると、アッサリと法案を引っ込めてしまった。
お陰で公務員の定年延長もダメになり、慌てた立憲民主党や国民民主党からは、公務員の定年延長だけには賛成だなどと言い出したが、後の祭り。
結局は、有田芳生の同志だった黒川弘務の定年が、三か月延長されるだけの結末になってしまった。
ところが、この黒川定年延長問題は、これだけでは済まなかった。
法案先送りが決まった翌日、週刊文春が「黒川検事長の賭け麻雀」をすっぱ抜いた。
もしも安倍政権が、強行採決で黒川の定年延長を成立させていたら、翌日の黒川スキャンダルで大騒ぎになり、致命傷になったとの見方もある。
安倍首相のマグレ当たりなのか、あるいは冷徹な読みの賜物なのか?
いずれにしても政治は結果責任だから、野党の歯ぎしりの音と、安倍首相の高笑いが聞こえてくるような気がする。
この黒川の賭け麻雀だが、僕は先に述べたように、問題は新聞記者との癒着関係であって、賭け麻雀自体は大騒ぎするようなものではないと思っている。
ところが世の中には、「賭け麻雀は絶対に許せない」と力み返る人たちもいる。
その中の一人が、芸人、カンニング竹山「大先生」だ。
「大先生」は
・黒川は逮捕するべき
・一円でも賭け麻雀は違法行為
・点ピンならハコテンで3千円になる
と、黒川の訓告処分にブータレていた。
途端に、「何で賭け麻雀にそんな詳しいの?」とツッコミが入っていたが、語るに落ちるとはこのことだ。
点ピンとかハコテンとか、麻雀の専門用語を駆使し、点ピンでハコテンなら3千円と計算できるのは、賭け麻雀の経験者だけだ。
大体、点ピンまでの麻雀は取り締まりの対象ではなく、「お楽しみの範囲内」と認識されている。
竹山「大先生」が口を尖らせて「逮捕だ!」と騒いでも、警察も検察も事件化できるようなレベルではない。
更に、このような幼稚な正義感は、社会生活を不便で不自由なものにしてしまう。
「大先生」の主張は、「時速1㎞オーバーでも道路交通法違反だから逮捕」と同じレベルの馬鹿げた夢物語でしかない。
パチンコの換金システムも、僕個人は、「法律違反だから取り締まれ」と考えているが、実際には大目に見られているので、敢えて抗議まではしない。
黒川は元検事だったから、社会的責任は大きいとの意見もあった。
だがそれは、彼が取り締まる側だった時の話で、不幸にして取り締まられる側になった途端、法律は平等に適用されなければならない。
悪代官退治の庶民感覚は分かるが、だからと言って、過剰な法律適用な慎むべきだ。
カンニング竹山「大先生」は、大向こうの受け狙いで正義感面したかったのだろう。
最近ゲーノージンの政治発言が話題だが、しかし、この手の発言は、天に唾!
厳格な法律適用を主張すると、「大先生」が有名になるまで、舞台でやってきたパフォーマンスもまた、公然猥褻物陳列罪に問われますよ。
因みに僕は、朝日新聞や野党の刷り込み攻勢で、黒川検事長は与党寄りの人物と思い込んでいたが、これがあの悪名高いヘイトスピーチ法案成立の立役者なら話は別だ。
有田芳生が残念がるようなヤツなら、煮るなり焼かれるなり、退職金が減額されようと、気分の上ではどうでもいい。
しかしそれでも、そこは大人の対応で、野党のような幼稚で露骨なポピュリズムとは一線を画していたい。
カンニング竹山「大先生」と言う通り、黒川が逮捕されたって構わないのだが、普通に訓告処分が適当だと思いますヨ。