武漢肺炎ってやつは、実に質が悪い。
「謎に満ちる」と言えば、英語ではmysteriousだが、そんな上品な話ではない。
ウィルスが発現した中国が、そのおぞましさにビビってしまい、「生まれてこなかったことにしよう」と、世間体を気にしてこっそり隠してしまった。
早期に世界中の英知を集めれば、何とか対処できたかもしれない。
最悪でも発祥地だけに限定できたかもしれないのだが、中国の愚かな隠蔽工作のために、初期の段階でそのチャンスをなくした。
しかも、中国と親しく経済交流を始めていたために、このウィルスが爆発的に広がったイタリアとスペインやヨーロッパで、武漢肺炎は変異してしまった。
このウィルスは、拡散している内に、段々とパワーアップするややこしい奴だ。
そのために、当初の中国の思惑を遥かに超えて、アメリカに、ブラジルに、インドにと拡散し、ついにはアフリカにと、世界中が手が付けられない状況に陥っている。
様々な人種を毒牙にかけているうちに、更にウィルスは悪質化している。
当初は、武漢ウィルスの特徴として、
・感染者は老若男女を問わない
・しかし何故か、重篤者と死者は既往症持ちの老人だけ
・若い人は感染しても死なないし、抗体ができれば二度と感染しない
と言われていた。
そのせいで、「死なないのなら感染しても構わない」と、むしろ積極的に自粛要請破りに励む若者まで現れた。
こんな連中は、テレビでは顰蹙を買っていたが、その気持ちは分からないでもない。
理由は定かではないが、不思議にも日本人は武漢肺炎に罹患し難いとの説もあった。
・もともと日本人は清潔好きで、手も洗うし嗽もする。
・毎日、風呂にも入るし、家では靴も脱ぐ。
・マスク着用にも抵抗がない。
・そんな日本人なら、武漢肺炎の感染リスクは、諸外国に比べると小さい。
と、実しやかに、そんなことが言われていた。
ところがここに来て、そんな話も怪しくなってきた。
日本では、一旦自粛要請が緩和された。
アメリカやブラジルでは国策として、防疫よりも経済活動が優先された。
当初は感染者がほとんどいなかったインドやアフリカ諸国も、国際交流が進むに従い、爆発的に患者が増加してきた。
第一波感染国は、一旦感染者数が落ちついたが、ここに来て第二波が拡散している。
その第二波感染の特徴は、何といっても若年層の感染だ。
これは当たり前で、新宿で、池袋で、そして劇場でと、集団クラスターが発生しているが、日本の自粛緩和で街に繰り出している大半が若者だからだ。
若者は、自粛疲れでストレスがたまっていたし、若者は死なないとの情報もあった。
もう大丈夫と楽観したのに、もう一度足枷を課すのは、最初の数倍の危機感が必要だ。
そんな中で、世界の武漢ウィルスは、段々と悪質化している。
ここに来て、若者なら感染しても大丈夫とは言えなくなってきている。
人から人に感染していく過程で、武漢ウィルスが変異しているのだ。
歴史的に見ても、時間が経過し、感染者が増えるほどに、被害者が重篤化するのがウィルス性伝染病の特徴だ。
人間は、常に未知のウィルスと戦い、退治したり共存したりで乗り越えてきた。
武漢ウィルスもそんなウィルスの一種なのだろうが、こいつはグローバル時代になって初めて遭遇した病原菌だ。
現時点では、ワクチンも処方箋も確立していない。
しかも経験則で得た常識だけでは、抑え込むことができない悪質なウィルスだ。
そんな厄介極まりないウィルスが、世界規模で拡散している。
ワクチンができるまでは、各国の政府にも、打つ手はない。
我々市民にとっては。ひたすら自衛するしかない。
事ここに至っては、経済が大事と思う人に、自粛を求めて無無理だ。
武漢肺炎が怖い人は、巣籠り状態で、三密回避を続ける。
各々が自己責任で、行くところまで行くしかない。