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ボルソナロ大統領の生体実験

アメリカのトランプ、大統領と、ブラジルのボルソナロ大統領。

この二人のリーダーには、分かりやすい共通項がある。

 

マスコミには嫌われて、ほぼ連日、執拗で徹底的なアンチキャンペーンを張られる。

その一方、一部の国民からは熱狂的に支持されていて、毀誉褒貶が激しい。

それでも二人とも、世間の悪評など全く意に介さない。

ポピュリストではあるが、その対象は自分の支持者さえ分かってくれれば良い政治スタイルなので、不特定多数への八方美人政治家が多い中では異彩を放つ。

どれだけ悪口を言われても、「信じる我が道、どこまでも」を貫くのは、ある意味、スカッと爽やかな生き様な政治家だ。

 

その二人の大統領が、共に武漢肺炎に悩まされている。

世界中で、未だに終わりが見えない武漢肺炎だが、中でもアメリカとブラジルは、感染者も死者も、断然のワースト一、二位の国だ。

武漢肺炎は、文字通り、中国の武漢市で発症した新型ウィルスによる感染症だ。

それが、中国の一帯一路構想に沿って、先ずイタリアに伝染した。

ミラノ周辺でパンデミックを起こした後に、スペインに渡り、フランス、ドイツ、最後はイギリスと、ヨーロッパ中に爆発的に広がった。

 

この時点では、アメリカもブラジルも高みの見物状態だったが、ヨーロッパからアメリカ持ち込まれたウィルスが、瞬く間に、ニューヨークを席捲。

その後、感染はアメリカ全土に拡大し、感染者、死者共、不名誉な世界一となった。

ブラジルはその頃、ワーストテンにも入っていなかったが、経済を重視し武漢肺炎を極端に軽視したボルソナロ大統領の放任主義で、ヨーロッパ諸国を追い抜いてしまった。

ワーストトップのアメリカには遠く及ばないが、三位のイギリスを楽々と追い越し、今や世界ワースト二位につける事態となってしまった。

 

そんな状況だが、アメリカ、ブラジルの両国で驚くのは、これほど感染者と死者が増えても、トランプとボルソナロの二人は、あくまで経済優先姿勢を変えないことだ。

二人共、経済さえ巧く回れば、国民の多くが支持してくれる確信があるのだろう。

普通に考えれば、非常事態、緊急事態だ。

しかしいくら事態が悪化しても、頑として経済優先方針を変えない。

 

そうこうしている内に、ボルソナロに至っては、ついに自分も感染してしまった。

裁判所にマスク着用を命じられても、言うことを聞かなかったボルソナロだが、さすがに陽性判明後の記者会見には、マスク着用で現れた。

それでも「コロナは風邪みたいなもの」と自説を強調し、最後にはサービス精神でマスクを外して見せた。

会見に集まった記者たちにすれば、迷惑千万だっただろう。

 

日本でも、6月に緊急事態宣言を解除した後、感染者が増えている。

しかし、一旦経済活動を再開した国民に対して、再度の自粛要請が出し難い状況だ。

それでも感染者が増え続ける事態の中で、自分で責任を取りたくない首長たちから、もう一度、国主導の緊急事態宣言を求める声が出ているが、政府にその気はない。

日本の政治家には、自ら火中の栗を拾って責任を取るような気骨はないし、このまましばらく様子見を決め込んでいたいのが本音だ。

 

武漢肺炎で優先するべきは、防疫か経済かは、日本だけでなく世界中が悩んでいる。

ボルソナロの言う通り、「武漢肺炎なんて単なる風邪」なのか、そうではなくて、徹底した三密回避策こそが武漢肺炎対策の切り札なのかが、誰にも分からないからだ。

武漢肺炎は、世界がグローバル化して初めて迎えた、新型ウィルスによるパンデミックなので、その回答も処方箋も、実は誰にも分かっていない。

 

しかし、ボルソナロだけは極めて旗幟鮮明で、どんなに感染者と死者が増えてもどこ吹く風で、ブラジル国家と自らの体を張って、経済優先を実践してきた。

ところが予想されていたことだが、ボルソナロ自身が、武漢肺炎に罹患してしまった。

ここで注目されるのは、それでも尚、ボルソナロは自説に拘るのか。あるいは武漢肺炎の辛さを身を以て知り、防疫優先に方針変更するかだ。

これは、ボルソナロが率先垂範する、ブラジルの生体実験と見ることができる。

そしてその結果が世界中に、防疫か経済かの回答を教えてくれる。

 

悩める世界中の国家、国民は、ブラジルのボルソナロ大統領の、次の一手を括目せよ!