昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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五十肩発症

歳のせいだろうが、左肩が痛くなった。

特に手をついて立ち上がる時や、腕をひねった時に激痛が走る。

尤も、普通に日常生活を送っている限り、腕をひねることなどそうはないので、別段不自由を感じることはない。

また不思議にも、ゴルフのスウィングに全く支障がないこともあり、そのまま放置して半年以上が経過した。

 

元々医者は大嫌いだ。

嫁はちょっとでも調子が悪いとすぐ医者に診せるが、当方はよほどのことでもない限り病院は毛嫌いしてきた。

そのため、病院に行った時点では精密検査、若しくは即入院のケースが多かった。

しかし別段、命に支障をきたすわけでもない肩の痛さぐらいは、我慢していればそのうちに快癒する。

そう思い込んでいた。

 

しかし段々、痛みが増してきたような気がする。

ふとした拍子に「痛ェ」と呻くことがあり、嫁も心配して病院行きを勧める。

断り続けるのも面倒になり、ついに医者の診察を受けることにした。

 

整形外科を初訪問したのは、連休明けの月曜日。

受付で検温され、熱がないことを確認される。

「熱があったらどうなるの?」と聞くと、「残念ながら受付できません」らしい。

しかし、体調が悪いから病院に行くのに、熱があるなら帰れとは人権蹂躙ではないか。

などと不満を持ったが、その先の待合室はごった返ししている。

「三密を避けて」の張り紙があるが、物理的に避けようがない。

 

周りは、「交通事故にあって足が痛い」とか「転んで骨折」とかの患者だらけだが、若い人は非常に少ない。

ある程度の年齢を重ねると、やはり体にガタが来るのだろう。

また、リハビリだけに通ってくる患者も多数いるが、こちらも交通事故や体育の授業で骨折した人以外はほとんど老人だ。

同病相憐れむ。

やはり病院にいると、気分が晴れることはない。

 

そんな中で、待つこと二時間。

やっと診察のお呼びがかかった。

医者の年齢は、推定40歳半ば。

「左手を挙げて」「回して」の簡単な問診の後、レントゲン撮影となる。

 

その後また、待合室で結果待ち。

30分ほど経過して、医者から「レントゲン撮影の結果、肩甲骨に石灰が溜まっている」と説明された。

何でもその石灰質が腱を刺激し、痛みになると言う。

「病名は?」と聞くと「五十肩、但し腱断裂の可能性もあり!」とおどろおどろしい。

思わず、「この年で五十肩とは」と思ったが、五十肩は50歳前後に発症するものではないらしい。

 

恐る恐る治療法を聞くと、「一週間は湿布貼り薬で様子を見て、その後必要なら手術」と仰々しい。

しかし処方箋の結果渡された湿布薬は、その辺の薬局で普通に販売されているもの。

すっかり拍子抜けしたが、この湿布が効果てきめん。

翌日には、あれほど悩まされた方の痛さが、ウソのように消えていた。

これで完治したと調子に乗って、翌日は湿布を辞めると、途端に痛みがぶり返す。

要は、湿布さえすれば痛くないことが分かった。

 

一週間後の再検で、そのことを医者に伝えると、「ではこのまま湿布治療を継続」となり、同じ薬をさらに二週間分処方された。

「この湿布薬で、肩甲骨に溜まっている石灰質は消えるのか?」と質問すると、「消えることもあるが消えないかもしれない」と全く頼りない。

それでも、痛みは診断前よりも格段に改善されているので、このまま湿布を貼り続けることにした。

 

体に膏薬を貼るのは、年寄りの証拠。

実際に幼少の頃に見た爺さん婆さんは、誰もが膏薬だらけだった。

当方も、そんな年寄りになった。

初冬の風が、無性に老骨に染みるこの頃だ。